研究課題/領域番号 |
21K06097
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福岡 創 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 准教授 (50447190)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 走化性 / 感覚受容 / 情報伝達 / 細菌走化性 / シグナル伝達 / イメージング / 大腸菌 / FRET / 蛍光イメージング / 回転計測 / 1細胞計測 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸菌は小さな細胞の中に,高等生物と同じようなセンシング能,情報処理能,運動能を有しているが,単純な大腸菌ですら,細胞の応答を細胞内でのタンパク質動態(局在,活性,分子数,相互作用)として理解するには至っていない.本研究は1細胞内FRETや走化性タンパク質の細胞内動態と共に,最終出力のべん毛モーター回転を同時計測することで,定常状態における走化性システム,入力に対する細胞応答やシステムのリセット機構の定量的解析を1細胞で行う.これにより生きた細胞内のタンパク質動態と細胞応答の相関関係を直接的に理解し,生命に普遍的な細胞内情報伝達の基本原理を,細胞内のタンパク質動態レベルで明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究は,1細胞計測技術を基盤として『シグナル入力,細胞内タンパク質の動態,細胞応答』までの一連の計測パラメーターを関連づけて大腸菌の走化性情報伝達を定量的な理解を目的とした.本研究では,1)受容体アレイの自発的な活性化がCheRおよびCheBによる受容体のメチル化数の変動で生じることを明らかにした.2)忌避応答時におけるCheBの細胞内動態と細胞行動の1細胞計測により,受容体活性を反映したCheB局在の動的変動を明らかにした.3)CheZとCheY間のFRET変化とべん毛モーター回転方向の1細胞計測によって,誘引刺激に対する細胞内CheYp濃度変化と細胞行動の相関関係を定量化した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
『外環境情報を感知・処理し応答する』ことは最も重要な生命現象の一つである.従来は,生物種を問わず情報処理を担う生体分子の機能やそれらの相関図の解明に焦点が当てられてきた一方で,生きた細胞内での情報処理を担うタンパク質の動態(活性,相互作用,数など)を細胞の応答に直接的に結びつけて理解するには至っていない.本研究は,シンプルな情報伝達系である大腸菌の走化性システムを対象に,独自の1細胞計測技術により『シグナル入力,細胞内タンパク質の動態,細胞応答』を同時に計測し,それら計測パラメーターの関連付けによって情報伝達の定量的な理解に繋げた.本研究の成果は生物に共通の情報伝達系の定量的理解に貢献する.
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