研究課題/領域番号 |
21K06118
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設) |
研究代表者 |
奥村 久士 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(機構直轄研究施設), 生命創成探究センター, 准教授 (80360337)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 分子動力学シミュレーション / アミロイド線維 / 赤外線レーザー / アミロイドβペプチド / ポリアラニン / 水 |
研究開始時の研究の概要 |
アミロイド線維はタンパク質が凝集してできた針状の物質で、40種類以上の病気の原因となる。最近の実験で赤外線レーザーを照射すると水分を含んだアミロイド線維は破壊されるが、乾燥したアミロイド線維は破壊されないことが示された。この結果は水が何か重要な役割を担っていることを示唆しているが、その役割は分かっていない。また、アミロイド線維を破壊するとαヘリックス構造が多く形成されることも示されているが、その理由も分かっていない。本研究では非平衡分子動力学シミュレーションによりアミロイド線維が赤外線レーザーで破壊される際の水分子の役割を解明する。αヘリックス構造が多く形成される理由も明らかにする。
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研究成果の概要 |
タンパク質は本来正しく折りたたみ、生命にとって必要不可欠な機能を果たすが、時に凝集し病気を引き起こすことがある。これらのタンパク質凝集体に赤外自由電子レーザーを照射して破壊し、新しい治療法開発につなげようという試みが行われている。しかし、タンパク質凝集体が自由電子レーザーにより破壊される機構は分かっていなかった。本研究ではコンピュータを用いたシミュレーションによりその機構を解明した。さらにどのようなタンパク質凝集体は破壊しやすく、どのようなタンパク質凝集体が破壊しにくいのかも明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質凝集体の引き起こす病気にはアルツハイマー病やハンチントン病、パーキンソン病など治療法が確立していない病気が多い。これらの大半の病気には対処療法しかなく、その原因を直接取り除く方法はない。赤外線レーザーを照射する方法は病気の原因に直接アタックするので、この方法が実用に至れば意義は大きい。これまでレーザー照射により病気の原因物質を除去できることは実験的に知られていたが、その理由は不明であった。これを明らかにしたのが本研究である。本研究により将来、治療に使えるかもしれない手法の理論的裏付けを与えることができた。
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