研究課題/領域番号 |
21K06125
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
井川 武 広島大学, 両生類研究センター, 准教授 (00507197)
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研究分担者 |
荻野 肇 広島大学, 両生類研究センター, 教授 (10273856)
鈴木 誠 広島大学, 両生類研究センター, 助教 (10533193)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | エピジェネティック制御 / 両生類 / ゲノム / 表現型可塑性 / マイクロCT / 環境適応 / 温度適応 / バイオインフォマティクス / エピジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
生物はどのようにして異なる環境に適応して分布を広げるのだろうか。特に温度への適応は避けられない要素であるが、温度に対して適応的な表現型がどのように誕生するのかわかっていない。本研究では生物の適応進化における分子メカニズムの解明を解明するために、温泉に生息できるほど高温に適応したリュウキュウカジカガエルの表現型可塑性について、遺伝子発現のエピジェネティック制御機構とその進化的意義の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は温度に対して適応的な表現型が誕生するプロセスを解明するため、西南諸島に産するリュウキュウカジカガエルの表現型可塑性について、遺伝子発現のエピジェネティック制御機構とその進化的意義の解明を目指している。本年度は昨年度に引き続き、マイクロCTを利用した形態変化の三次元比較解析及び、ChIP-seqによるヒストン修飾の標的領域の比較解析を計画していた。このうち、マイクロCTを利用した形態変化については染色法を工夫することで、軟骨組織を含む組織を可視化することに成功し、高温下における形態変化を詳細に解析することができた。これによって、リュウキュウカジカガエルの表現型可塑性の部位ごとの実態が明らかになった。RNAseqによる遺伝子発現解析の結果、高温下での発現量が増加した遺伝子にはエピジェネティック制御因子が多く含まれていたため、対象とする因子の絞り込みを行った。一方、エピジェネティック制御機構の解析については、ゲノムの完成度が足りず、また追加のシークエンス予算も限られていることから実施することができなかった。さらに、近年の試薬高騰によって、予定していた追加シークエンスデータの取得が難しくなっている。ChIP-seqあるいは、DNAメチル化部位の検証については、染色体レベルのゲノムデータを利用することが理想的であり、両種においてゲノム精度の向上に有効なロングリードデータを十分量確保することは難しい。そのため、来年度は雑種作成による高精度な染色体地図を作製し、限られた予算内で現在のゲノムデータの連続性を染色体レベルまで向上させることを計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染防止の観点から離島でのフィールドワークが行えなかったため、計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
リファレンスゲノムの完成を優先して研究を進める。ゲノムデータの整備が完了し次第、当初予定していた実験課題に取り組む。
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