研究課題/領域番号 |
21K06132
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43050:ゲノム生物学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
原 雄一郎 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医学研究センター, 主席研究員 (70709708)
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研究分担者 |
吉沢 直子 (須賀田直子) 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医学研究センター, 主席研究員 (30344071)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 偽遺伝子化 / de novo gene / シスエレメント / 超並列レポーターアッセイ / 遺伝子レパートリー |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子は「タンパク質コード領域」「転写調節領域」の両立によってゲノムに保持される。では遺伝子の創成/消失は、タンパク質コード領域、転写調節領域どちらの創成/消失をきっかけとして成立するか。この問いに答えるために、類人猿のヒトに至る系統で生じた「遺伝子の新規創成(de novo gene)」「偽遺伝子」が成り立つ過程を、祖先遺伝子のタンパク質コード領域および転写調節活性を復元して再現する。本研究では合成した祖先塩基配列を用いる超並列レポーターアッセイを導入し、祖先遺伝子の転写調節活性の計測という技術的困難を克服する。
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研究実績の概要 |
2021年度には、類人猿においてヒトに至る系統で生じた/失われた遺伝子のプロモーター領域を同定し、分子系統解析によりそれらの祖先配列を推定した。2022年度には、超並列レポーターアッセイを用いてプロモーター祖先配列の活性を計測した。対象とする遺伝子から400箇所のプロモーターを選び、その祖先配列をもとにして超並列レポーターアッセイのプロトコルに適合するように約18,000配列のオリゴヌクレオチドプールを設計、合成した。プールされたオリゴヌクレオチドにランダムバーコードを付加し、アッセイ用に設計したバックボーンベクターに挿入してクローニングするとともに、ベクターをシーケンシングしてバーコードとオリゴヌクレオチドの対応関係を計測した。作製したプラスミドベクターをヒトの4種類の培養細胞に導入し、DNA, RNA分子のバーコードをシーケンシングしてプロモーター祖先配列の活性を計測した。加えて、先進ゲノム支援のサポートを受けて、アクティブなプロモーターのヒストンマークであるH3K4me3をターゲットとするHiChIP解析を行った。HiChIPには上記のヒト培養細胞の他にカニクイザルの細胞も用いている。先進ゲノム支援にHiChIPのライブラリ調整とシーケンシングを依頼し、納品された配列データを解析した。その結果、対象とするプロモーターの約半数でコンタクトするゲノム領域が見つかった。これらよりエンハンサーの候補となる領域を絞りこみ、その祖先配列を推定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に計画した実験を遂行できた。また、先進ゲノム支援のサポートを受けて研究の幅を拡げられた。
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今後の研究の推進方策 |
該当遺伝子のエンハンサー配列の祖先配列を推定し、超並列レポーターアッセイによりその活性を計測する。プロモーター、エンハンサー活性の進化過程およびタンパク質コード領域の成立/消失過程を復元することにより、遺伝子の創成/喪失における遺伝子転写調節機構の寄与を明らかにする。
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