研究課題/領域番号 |
21K06137
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
佐久間 哲史 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (90711143)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ゲノム編集 / CRISPR-Cas / 遺伝子ノックイン |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ゲノム編集ツールの選択肢が拡大し、特にCRISPR-Casシステムにおいては、従来のCas9を筆頭にさまざまなツールが開発され、各ツールを利用したゲノム編集の実施例が蓄積されている。しかしながらそれぞれのツールにはゲノム編集操作の得手・不得手があり、高精度改変と大規模改変を両立できるシステムは確立されていなかった。そこで本研究では、異なるクラス・タイプのCRISPRシステムを組み合わせた新手法“マルチクラスCRISPR”によって、これまで実現困難であった多重・大規模かつ高精細なゲノム編集を可能にするシステムを確立する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、前年度に引き続き、マルチクラスCRISPRに用いるための各クラス・タイプのCRISPRシステムにおける技術基盤の更なる改良を進めた。
クラス1システムにおいては、CRISPR-Cas3を用いた遺伝子ノックインの最適化を実施した。まず、ドナーベクターの構造として、ホモロジー配列の両外側にCRISPR-Cas3の標的配列を配し、挿入する遺伝子カセットがプラスミドベクターから切り出されるように設計することで、ノックインの効率が高まることを示した。また、Cas3とCascadeが単一のベクターから発現するように改良を加えたall-in-oneベクターの機能性を実証した。更に、様々なホモロジーアーム長でのノックインの検証を実施することで、効率的なノックインに必要となるホモロジー配列長を同定することに成功した。興味深いことに、必要なホモロジー配列長には、ゲノム上の標的配列のPAM側と逆側で差異が存在した。
クラス2システムにおいては、過去に当グループが開発したゲノム編集の効率化技術であるLoADシステムを拡張し、従来使用していたMS2以外のRNAアプタマーおよびMS2コートタンパク質以外のRNA結合タンパク質のラインナップを整備した。これらを取り入れた拡張型LoADシステムの効果を検証したところ、使用するRNAアプタマーやRNA結合タンパク質によって編集結果に違いが生じることが明らかとなった。更に、先行研究においてゲノム編集パターンを変化させることが知られているT5exo-Cas9と拡張型LoAD法を組み合わせた検証を実施した結果、編集パターンの更なる変化が生じることも示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」欄に記載した通り、クラス1 CRISPRによる遺伝子ノックインの最適化やクラス2 CRISPRを効率化させる拡張型LoADシステムの開発を通じて、初年度の成果を更に発展させることができた。これらの成果は、2023年6月に開催予定の日本ゲノム編集学会第8回大会でのポスター発表にそれぞれ採択されている。また、各成果は後述する最終年度の実施内容に繋がる成果であり、当年度の成果として十分な進展があったと判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、当年度までに開発したクラス1およびクラス2 CRISPRシステムの技術改良について論文化すると共に、これらの改良技術を基盤としたマルチクラスCRISPRシステムの有効性を実証する計画である。具体的には、前年度の報告書における今後の研究の推進方策にも記載した通り、ベクターのランダム挿入等の目的外産物を極限まで排し、多数の遺伝子座を同時に、高効率かつ確実に改変できるようなシステムの開発を目指す。また不要なゲノム配列の除去や複数の外来DNAドナーのドッキングなどの高度な操作を、シームレスかつ一塩基レベルで精密に規定した連結部を伴って実行するなど、精密さと広汎さを併せ持ち、かつ多重性、安全性、確実性に長けるこれまでにないゲノム編集法を確立することを試みる。
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