研究課題/領域番号 |
21K06138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
吉川 治孝 徳島大学, 先端酵素学研究所, 助教 (60709567)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 特殊化リボソーム / サイズ排除クロマトグラフィー / プロテオミクス / リボソーム / 翻訳 / がん / プロテオーム解析 / Myc |
研究開始時の研究の概要 |
およそ7割の腫瘍で発現量が増加している転写因子Mycは、細胞内タンパク質合成装置であるリボソームの構成成分とそのリボソームの合成に必須な因子群の発現量を増加させることが知られている。しかし産生されたリボソームの質的変化とその翻訳能の変化については十分な知見が得られていない。本研究では、申請者独自のリボソームの分離法「Ribo Mega-SEC」とプロテオミクス技術の融合による簡便なリボソームのインタラクトーム解析法を活用して、Myc依存的なリボソームとの相互作用タンパク質の変化を系統的・網羅的に解析する。
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研究成果の概要 |
リボソームは生物に必須の細胞内翻訳装置である。がん細胞はリボソーム合成を活性化させてリボソーム量を増やし、その成長と増殖に必要なタンパク質量を確保する。転写因子Mycはリボソームの全構成成分の遺伝子転写等を介してリボソーム量の増加に寄与する。本研究では、Mycによるリボソームの質的変化とそれに起因する翻訳能の変化も細胞がん化に関わるのではないか?という仮説のもと、Myc依存的なリボソームとの相互作用タンパク質の変化を系統的に解析することで、Myc依存的かつ特異的リボソームの分子実体の解明に取り組んだ。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌感染症の治癒などに大きく貢献してきた抗生物質は、現代の医療においてはなくてはならないものである。その抗生物質のほとんどはリボソームによるタンパク質合成を阻害することで細菌の増殖を抑制する。つまりリボソームの機能阻害は有用な薬剤標的の一つである。Mycが高発現している腫瘍は全体の約7割に及ぶ。本研究で明らかにされたMyc発現依存的かつ特異的リボソームはがん細胞特異的な翻訳メカニズムについての理解を深め、Mycを高発現する腫瘍において新しい治療戦略の構築にも展開できると期待される。
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