研究課題/領域番号 |
21K06139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43060:システムゲノム科学関連
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研究機関 | 公益財団法人サントリー生命科学財団 |
研究代表者 |
白石 慧 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・統合生体分子機能研究部, 研究員 (50710729)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ペプチド / MRGX / Substance P / BAM8-22 / 機械学習 / 特徴抽出 / GPCR / 線形SVM / MRGX2 / MRGX1 / BAM |
研究開始時の研究の概要 |
機械学習(線形SVM)を用い、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)とリガンドペプチドの相互作用予測法をこれまでの研究で開発し、さらに予測に寄与したペプチド-GPCR残基ペア(相互作用因子)を抽出する手法を開発してきた。本研究では、推定された相互作用因子となる残基へ変異を導入することで、変異型受容体が新規ペプチドリガンド受容能を獲得できることを証明し、さらに一般化した相互作用因子推定プログラムを構築し、ペプチドに対する相互作用因子を持つGPCR・変異を体系的に探索可能にすることで、相互作用因子を介したリガンド認識機構の解析手法を確立する。
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研究成果の概要 |
Gタンパク共役型受容体(GPCR)とペプチドの配列を入力として相互作用を予測する機械学習モデルを用い、相互作用に寄与する残基を推定できる手法、IDL Scoreを開発した。本手法を用い、MRGX2、およびMRGX1の各特異的リガンド認識(SP, BAM)に重要な残基を推定した。推定した残基を変異することで、本来活性のないSP-MRGX1ペア、BAM-MRGX2ペアで活性化する変異体を見出した。さらに、これら相互作用因子の変異に基づいて他の種のオーソログの活性の進化過程を解明した。以上からIDL Scoreは活性に関わる残基だけでなく、受容体の進化における機能獲得の推定も可能であることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、受容体がリガンドを認識に関与する残基の探索は、三次元結晶構造に基づいた相互作用残基の探索か、網羅的な変異体の構築に基づいていた。しかし、前者は直接相互作用がない残基を見出すことは難しく、後者は膨大な変異体実験を要し、時間・コストがかかっていた。本成果により確立した手法は、体系的かつ効率的に受容体とペプチドの相互作用に関わる分子メカニズムを明らかにできる。ペプチドは生体内で様々な生物学的役割を果たしていることから、本研究は内分泌学の発展に寄与する。さらに、ペプチド認識に関わる残基の解明はペプチド認識が関与する点変異が関連する進化や遺伝病のメカニズム解明にもつながる。
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