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リン酸化修飾が制御するペルオキシソームタンパク質輸送と酸化ストレス応答

研究課題

研究課題/領域番号 21K06155
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分44010:細胞生物学関連
研究機関九州大学

研究代表者

奥本 寛治  九州大学, 理学研究院, 助教 (20363319)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワードペルオキシソーム / リン酸化 / タンパク質輸送 / 酸化ストレス / カタラーゼ / オルガネラ
研究開始時の研究の概要

過酸化水素を無毒化する抗酸化酵素であるカタラーゼは、哺乳類ではおもにペルオキシソームに局在化しており、ペルオキシソーム膜タンパク質Pex14がその輸送に中心的な役割を果たす。本申請者らは、過酸化水素負荷時にPex14がリン酸化修飾され、これがカタラーゼのペルオキシソームへの輸送を選択的に抑制することで細胞の酸化ストレス抵抗性を高めることを明らかにした。本研究では、Pex14のリン酸化に至る過酸化水素シグナル伝達経路の同定と、酸化ストレスに応答したペルオキシソームタンパク質の輸送の制御機構解明を主軸として、カタラーゼの細胞内局在制御による新たな酸化ストレス応答機構の分子機構を解明する。

研究実績の概要

生物界に広く存在する抗酸化酵素カタラーゼは、哺乳類ではおもに細胞内小器官ペルオキシソームに局在し、ペルオキシソーム内部で発生する過酸化水素の消去に寄与する。カタラーゼはPex14を中心とするペルオキシソーム膜上のタンパク質輸送装置によってサイトゾルからペルオキシソーム内に輸送される。私達はこれまでに、酸化ストレス負荷時においてPex14のリン酸化が誘導されることでカタラーゼのペルオキシソームへの輸送が選択的に抑制されることを見出し、これがサイトゾル局在性カタラーゼ量の増加を介して細胞の酸化ストレス抵抗性を高める、という新たな抗ストレス応答機構を明らかにした。本申請課題では、このカタラーゼの細胞内局在制御による新たな酸化ストレス応答機構の分子機構を解明する。
本年度は前年度までに同定していた過酸化水素依存的なPex14のリン酸化に関与するキナーゼの解析を継続し、上流キナーゼを含めたPex14のリン酸化に至るシグナル伝達経路の解明を進めている。また、これらのシグナル伝達経路の知見を元に、Pex14のリン酸化を誘導する酸化ストレス以外の誘導源も見出した。酸化ストレスに加えて様々なストレス原への細胞応答にカタラーゼがどのように関与するのかを検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

過酸化水素によるPex14のリン酸化誘導に関わるキナーゼを同定し、その上流キナーゼ候補も見出した。また、酸化ストレス以外のPex14のリン酸化を惹起するストレス源を明らかにした。Pex14リン酸化を惹起する細胞内シグナル伝達カスケードに関する解析結果をまとめ、国際雑誌に投稿予定である。また、TurboIDを用いた近接依存性標識法により同定したPex14の相互作用タンパク質候補について、ビオチン標識部位の特定とその機能解析を進めている。これらの成果から、ほぼ順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

Pex14のリン酸化に関与するキナーゼと、その上流キナーゼカスケードによるカタラーゼの細胞内局在制御機構についての論文投稿を遂行する。さらに、酸化ストレス以外の様々なストレス源への細胞応答にペルオキシソームおよびカタラーゼが関与する可能性を見出しており、さらなる解析を進める。また、ペルオキシソーム膜タンパク質の配向性の決定に近接依存性標識法が有用であることが示されたことから、不明な点が多いペルオキシソームマトリクスタンパク質の膜透過装置の配向性、およびマトリクスタンパク質の通過経路の推定を推進する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] ペルオキシソームの動態と機能制御研究の新展開2023

    • 著者名/発表者名
      奥本 寛治, 阿部 雄一, 藤木 幸夫
    • 雑誌名

      生化学

      巻: 95 ページ: 719-729

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Analysis of Peroxisome Biogenesis by Phos-Tag SDS-PAGE2023

    • 著者名/発表者名
      Okumoto Kanji、Fujiki Yukio
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology

      巻: 2643 ページ: 207-215

    • DOI

      10.1007/978-1-0716-3048-8_15

    • ISBN
      9781071630471, 9781071630488
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Molecular insights into peroxisome homeostasis and peroxisome biogenesis disorders2022

    • 著者名/発表者名
      Fujiki Yukio、Okumoto Kanji、Honsho Masanori、Abe Yuichi
    • 雑誌名

      Biochimica et Biophysica Acta (BBA) - Molecular Cell Research

      巻: 1869 号: 11 ページ: 119330-119330

    • DOI

      10.1016/j.bbamcr.2022.119330

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Regulation of Myt1 kinase activity via its N-terminal region in Xenopus meiosis and mitosis2022

    • 著者名/発表者名
      Y. Aiba, J. Kim, A. Imamura, K. Okumoto, N. Nakajo
    • 雑誌名

      Cells Dev.

      巻: 169 ページ: 203754-203754

    • DOI

      10.1016/j.cdev.2021.203754

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ペルオキシソームを介した細胞の酸化ストレス応答機構2023

    • 著者名/発表者名
      奥本寛治, 藤木幸夫
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] カタラーゼの局在制御を介したストレス応答機構を調節するリン酸化シグナル伝達経路2022

    • 著者名/発表者名
      奥本寛治、藤木幸夫
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] ペルオキシソームの恒常性維持とサーベイランス機構2022

    • 著者名/発表者名
      藤木幸夫、奥本寛治
    • 学会等名
      第95回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Pex14リン酸化を介したカタラーゼの細胞内局在制御による新規酸化ストレス応答機構2021

    • 著者名/発表者名
      奥本寛治、藤木幸夫
    • 学会等名
      第44回日本分子生物学会年会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [備考] 九州大学理学部生物学科・大学院理学研究院生物科学部門 細胞機能学研究室

    • URL

      https://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~funccell/

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 九州大学理学部生物学科・大学院理学研究院生物科学部門 細胞機能学研究室

    • URL

      http://www.biology.kyushu-u.ac.jp/~funccell/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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