研究課題/領域番号 |
21K06157
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 国立感染症研究所 (2023) 東京理科大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
長野 真 国立感染症研究所, 治療薬・ワクチン開発研究センター, 主任研究官 (50572715)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | エンドソーム / トランスゴルジネットワーク / Rab5 / 出芽酵母 / メンブレントラフィック |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内では恒常的に、膜小胞の融合によって形成されたエンドソーム(ES)がリソソームに融合して消失しているため、この形成機構の解明は、ESが関わる細胞機能の解明や疾患の理解、治療法の確立に重要と考えられてきた。申請者は近年出芽酵母において、新規なES形成機構を見出した。トランスゴルジネットワーク(TGN)で形成された膜小胞上で、低分子量GTPase Rab5が活性化されてESが形成されることを明らかにした。本申請課題では、これらの先行研究の成果をもとに、この新規なES形成の分子機構の解析を進め、ESが関わる生理現象や疾患メカニズムの理解につながる新しい学術的基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、出芽酵母を用いた先行研究で見出した、トランスゴルジネットワーク(TGN)によるRab5ホモログVps21pの活性化とVps21p局在エンドソーム形成の分子機構の解明に取り組んだ。この結果、3種類のTGN局在性クラスリンアダプター、AP-1複合体、GGAアダプターおよびEpsinホモログが、それぞれ異なる役割でVps21p活性化に関わることを明らかにした(Nagano et al., 2023, JCS)。これらの研究成果は、広く真核生物に保存されているエンドソーム形成・成熟の分子機構の理解のみならず、このオルガネラがかかわる様々な疾患治療法の確立にもつながるものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エンドソームは、神経伝達や抗原提示など、多様な役割を担う。病理的にも、コロナウイルスなどの病原ウイルスや細菌の侵入経路に位置するため、その感染機構の解明や治療法開発の標的として研究されている。また、細胞-細胞外基質間接着の再編成やエクソソーム分泌を介してがん浸潤・転移に寄与するものである。さらに、siRNAなどを結合したナノ粒子の医療応用が進められているが、このようなナノ粒子がエンドソームに蓄積する性質を有するため、この解決が臨床応用上の課題となっている。本研究の成果は、エンドソームの形成・成熟機構の完全解明につながるもので、学術的にも医療応用上も重要な学術的基盤となるものと考えられる。
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