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ER exit site構築のためのSec16-Sed4間の機能制御

研究課題

研究課題/領域番号 21K06164
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分44010:細胞生物学関連
研究機関東京大学

研究代表者

依光 朋宏  東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (00534364)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
キーワード小胞体チューブ構造 / 膜曲率 / Sed4 / 小胞体内腔領域 / 天然変性領域 / 小胞体 / COPII / ER exit site / 小胞輸送
研究開始時の研究の概要

小胞体からの輸送小胞が形成されるER exit siteの構築メカニズムは未解明である。ER exit siteの構築に機能するSec16は小胞体膜タンパク質Sed4と相互作用することが25年以上前に発見されたが、その報告以降さらなる研究がなされておらずその機能的意義は不明である。本研究ではSec16-Sed4間相互作用の作用機序や、そのER exit site構築や小胞形成の制御に関わるメカニズムを生化学的手法ならびにライブセルイメージング解析などのアプローチにより解明を試みる。

研究実績の概要

小胞体膜タンパク質Sec12ホモローグであるSed4はCOPII小胞形成因子Sec16との相互作用依存的にER Exit Site (ERES)に集積する。加えて、Sed4の小胞体内腔領域も自身のERESへの集積に必要である。昨年度までに出芽酵母細胞を用いた実験により以上の結果が得られた。本年度はこの結果をさらに発展させるためにSed4の小胞体内腔領域に注目しその機能解析を行なった。
Sed4の細胞質領域をSec12のものと交換したSed4-12C変異体は、ERESに集積しなくなるが小胞体のチューブ構造のような膜曲率の高い部位に特異的に局在した。一方、Sed4-12CからSed4由来の小胞体内腔領域(Sed4L)を欠損した変異体はチューブ構造特異的な局在は失われSec12様の小胞体全体への局在を示した。この結果から、Sed4Lには小胞体チューブ構造に局在するための機能があることが示唆された。この可能性を検証するために、Sed4LをSec12またはSec22に融合したコンストラクトの細胞内局在を調べた。Sec12とともにSec22も小胞体全体へ局在するが、Sed4Lを融合した両コンストラクトはその局在パターンを変化させチューブ構造への集積を示した。さらに、Sed4L断片自身を小胞体内腔へ移行させるとチューブ構造特異的な局在が観察された。以上の結果から、Sed4Lは小胞体チューブ構造を認識する機能を有し、その機能は膜貫通領域に依存しないことが示された。
Sed4ホモローグの中にはSed4と同様に650アミノ酸超の比較的長い小胞体内腔領域を持つものが存在する。このようなSed4ホモローグ由来の内腔領域断片でもSed4Lと同様にチューブ構造への特異的な局在が観察された。Sed4とそのホモローグ由来の小胞体内腔領域はそのアミノ酸配列の相同性は低い一方、予測ソフトによる解析から天然変性領域(IDR)であるという共通した性質を持つことが推定された。以上の発見から小胞体チューブ構造の認識機能にはIDRが関与する可能性が推測された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究はSed4-Sec16間の機能制御の解明を目的とし、Sed4とSec16が相互作用することで両タンパク質が共同的にERESへ集積するメカニズムを見出した。得られた研究成果は論文として発表することがきた。このことから本課題は申請計画通りに進展していると考える。

今後の研究の推進方策

Sed4がERESに集積するメカニズムの一端を解明できた一方、そのメカニズムにSed4小胞体内腔領域が関わることが示された。この発見をさらに発展させるために行なった実験結果により、Sed4小胞体内腔領域が天然変性領域として小胞体チューブ領域を認識することが可能性が提示された。今後この可能性をさらに検証するための実験を行うことで全く新たな機能性を示すことができることが期待される。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Sec16 and Sed4 interdependently function as interaction and localization partners at ER exit sites2023

    • 著者名/発表者名
      Tomohiro Yorimitsu, Ken Sato
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 136 号: 9

    • DOI

      10.1242/jcs.261094

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 小胞体膜タンパク質Sed4のER exit siteへの集合メカニズム2023

    • 著者名/発表者名
      依光 朋宏、佐藤 健
    • 学会等名
      第96回 日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Sec16とSed4は相互作用することでER exit siteに集合する2022

    • 著者名/発表者名
      依光 朋宏、佐藤 健
    • 学会等名
      第95回 日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] Sed4はSec16と共にER exit siteにおいて機能する2021

    • 著者名/発表者名
      依光朋宏、佐藤健
    • 学会等名
      第94回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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