研究課題/領域番号 |
21K06166
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
鈴木 博視 東京医科歯科大学, 高等研究院, 特任准教授 (50635472)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | シグナル伝達 / 一回膜貫通タンパク質 / GTPase / クライオ電子顕微鏡 / 一回膜貫通型蛋白質 / 単粒子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
多細胞生物における細胞形態の動的制御には、他の細胞からの近距離・遠距離からのシグナルを受容した膜タンパク質が、細胞質側へと信号を変換し細胞骨格系や遺伝子制御系へと伝える事が必須である。一回膜貫通型タンパク質であるプレキシンは、細胞外からのシグナルを受容すると、構造を大きく変化させて細胞内側の信号変換器を介してシグナルを伝えることで、神経回路の形成や血管新生などに関わっている。他の複数回膜貫通型タンパク質と比べて柔軟性の高いこのタンパク質が、細胞「外」での構造変化をどのようにして細胞「内」での構造変化へと伝えているのかを、低温電子顕微鏡を用いて分子レベルで微細に「視る」ことにより明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究はプレキシン-セマフォリン複合体の立体構造解析を通じて、一回膜貫通型タンパク質全長の構造変化と細胞内ドメインの活性化機構を解明することを目的とした。哺乳類細胞発現系でプレキシンとセマフォリンを大量調製し、クライオ電子顕微鏡による単粒子解析を試みた。セマフォリン二量体とプレキシン二量体の複合体構造を部分的に明らかにし、細胞内領域が非常に動的であることを示唆するデータを得た。膜貫通領域以下の詳細な構造は明らかにする基盤として、新規の脂質膜環境への再構成法を作成し、クライオ電子顕微鏡に適した遺伝子組み込みタグの設計を進めることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プレキシン-セマフォリン複合体のダイナミックな構造変化とそれに伴う細胞内ドメインの活性化機構に関する新たな知見を提供すると共に、多種存在するプレキシンの他のサブタイプの構造研究にも展開可能である。これにより一回膜貫通型タンパク質のシグナル伝達メカニズムの理解が深まり、膜蛋白質研究の進展に寄与する事が期待される。また、新たな構造解析手法の開発は、他の膜蛋白質の研究にも応用可能であり、広範な学術的貢献が期待される。また、プレキシンやセマフォリンの機能解明が進むことで、それら分子が関与する神経発生や免疫などのメカニズム解明につながり、関連する疾病に対する治療標的としての応用が期待される。
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