研究課題/領域番号 |
21K06173
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2022-2023) 公益財団法人微生物化学研究会 (2021) |
研究代表者 |
小笠原 裕太 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 特任助教 (00773524)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 核膜ストレス / オートファジー / 脂質代謝 / 核膜 / 膜脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA損傷や酸化ストレスにより核膜構成成分の劣化に伴う核膜崩壊や核-細胞質輸送の障害が起きることが分かっており、これは個体の老化プロセスを理解するための重要な現象として注目されている。申請者はホスファチジルコリン(PC)合成経路で働く律速酵素CCTβを欠損させ、PC供給を核に局在するCCTαに依存する条件を作り出すことで核膜構造とautophagyの維持機構が破綻することを見出した。本研究では核膜脂質代謝制御に伴う核膜ストレス発生・応答機構を解明したい。
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研究成果の概要 |
本研究において骨肉腫細胞U2OSのCCTβ欠損により著しい核膜形態変化が起きることを見出すとともに、哺乳類オートファジーに関与するDFCP1、Atg13、WIPI2といったいくつかのAtgがオートファゴソーム形成時に液滴様の構造を形成することをLive-imagingおよびFRAP法を用いて明らかにした。ヒトのAtg13やWIPI2は天然変性領域を持っており液-液相分離を介したAtgの高次構造形成に寄与していることが示唆された。核膜ストレス発生部位近傍でAtg13やWIPI2が液-液相分離を起こすことで迅速にオートファジーを介したストレス応答が可能になることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに出芽酵母の液胞膜上の特定部位においてAtgの液滴構造(Fujioka et al. Nature. 2020)が形成されることについては既に報告されていたが、哺乳類ではいまだ報告がなく本研究で見いだされた相分離を介したオートファゴソーム形成機構は新規のメカニズムである。癌遺伝子RASの活性化がnucleophagyを介した核膜構成成分の分解を誘導することで、核膜ストレスの発生および細胞老化を引き起こすことが報告されているが、Atg13やWIPI2の相分離を制御することでオートファジーによる核膜ストレスの制御が可能となり老化の予防も期待できると考えている。
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