研究課題/領域番号 |
21K06185
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | お茶の水女子大学 |
研究代表者 |
千葉 和義 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (70222130)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ヒトデ / 卵母細胞 / アポトーシス / 受精 / caspase-3/9 / Apaf-1 / 電子顕微鏡 / 自己切断 / 卵 |
研究開始時の研究の概要 |
1~2年目:重合したCARDがフィラメント構造を作っているかどうか、作っているならばどのような構造をとっているのか、を明らかにするためにクライオ電子顕微鏡で観察する。さらに、重合しているCARDと不活性型のCaspase-3/9がどのように相互作用して活性型になるのかを明らかにするために、CARDとCaspase-3/9をそれぞれGFPとRFPで標識して、相互作用を観測する。3年目:Caspase-3/9がどのように重合して活性化するかについてクライオ電子顕微鏡を用いて観測すると同時に、蛍光標識したCaspase-3/9を卵内で発現し蛍光顕微鏡で観察することで、卵内での活性化機構を解明する。
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研究実績の概要 |
本年度の研究によって、大腸菌リコンビナントCARDを用いて、クライオ顕微鏡観察によってCARDフィラメント構造が明らかになった。哺乳類における他のcaspaseにおけるCARDフィラメントと同様に、I,II,IIIの結合面を持っていることも明らかになった。 このフィラメントが真にアポトーシスにおいて形成されていることを確かめるために、CARDを含む全長caspase-3/9のリコンビナントタンパク質を合成して、フィラメント形成が起こるかどうかを調べている。その研究過程で、活性型caspase-3/9では自己切断によって、タンパク質を安定的に維持できない問題が生じた。そこで、活性中心のアミノ酸を突然変異させたcaspase-3/9を作成した。大腸菌の中で発現すると、フォールディングがしっかりと起きないことが危惧されたので、小麦胚芽発現系を用いて合成している。現在、ネガティブ染色法で電子顕微鏡観察を行い、フィラメント形成が起こっているかどうかを調べている。 さらに、切断前の不活性型caspase-3/9が重合caspase-3/9 CARDと結合し、活性型となることを証明するために、自己切断部位の突然変異型caspase-3/9を作成した。それが、重合caspase-3/9 CARDと相互作用するか、そして活性化するかどうかを、低分子性の蛍光基質を用いて確認したところ、CARDによって活性が上昇することを検出できた。したがって、切断前の不活性型caspase-3/9がCARDフィラメントによって活性型に変化することが、確かめられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までの目標は完全に実現できており、順調に進んでいる。さらに、本年度の研究過程で、caspase-3/9全長においてもフィラメント形成していることを証明する必要があると考えられ、現在、その実験を行っている。また今後、CARDとプロテアーゼ部分を連結しているスペーサー領域に、分子内FRETセンサーを導入する実験を開始する。すなわち、CFPまたはYFPを持つ2種類のcaspase-3/9を作成し、混合して用い、同種CARDが重合すればFRETが起こることを検出する。
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今後の研究の推進方策 |
哺乳類caspase-9はApaf-1とそれぞれのCARD-CARD結合によって、リクルートされると考えられていたが、アポトソーム上では7量体のcaspase-9には7分子のCARDが存在するのに、4分子程度しかcaspase-9が観測されないことが謎となっている。それに加えて、いったん形成された異種CARD-CARD結合がどのように乖離して、別のcaspase-9分子がリクルートされるのかについては諸説あり、確定していない。本研究では、アポトソーム上の異種CARD-CARD結合が同種CARD-CARD結合を促す重合核となり、異種CARD-CARD結合は乖離しないと考えている。すなわち、異種CARD-CARD結合は強固であるが、同種CARD-CARD結合構造は比較的弱く、不活性型caspase-3/9をフィラメント構造にリクルートするとcaspase-3/9は活性型となって解離しやすくなり、このサイクルで不活性型caspase-3/9は活性化され続ける、と考えている。もしくは、本年度の研究から全長caspase-3/9においても安定的にフィラメントが形成されることが確かめられるならば、同種CARDも強固な結合を起こし、それによって安定的な二量体caspase-3/9が形成され、活性化が起こるとも考えられる。いずれにせよ、同種CARD-CARD結合機構が、進化的に、いつ失われて、哺乳類型に変化したのかを明らかにすることも重要である。そこで、まずはカイメン動物においてCARDフィラメントを形成しているかについて、実験を開始している。さらに、刺胞動物、脊索動物などにおいても、CARDが重合するかどうかについて、今後明らかにしてゆく必要がある。
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