研究課題/領域番号 |
21K06202
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
蒲池 雄介 高知工科大学, 環境理工学群, 教授 (90263334)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | タギング / 遺伝子タギング / HiBiTタグ |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム編集技術を用いた遺伝子機能の解明が進展しているが、高度な研究にはさらなる技術的発展が不可欠である。本研究では、発光タグHiBiTの高機能化・多機能化とゲノム編集による効率的で正確なノックイン技術を組み合わせることで、遺伝子機能の解析の高度化・迅速化をもたらす方法を開発し、これをゼブラフィッシュ胚発生過程における転写因子の研究へと応用する。まず、HiBiTタグと高輝度発光タンパク質を組み合わせて使用することで、新規の生体内タンパク質検出システムを構築する。さらに、効率的なタンパク質レベルでの機能喪失実験を行うために、デグロン技術と組み合わせることで新規プロテインノックダウン法を開発する。
|
研究実績の概要 |
モデル動物におけるゲノム編集技術を用いたノックアウトやノックインによる遺伝子機能の解明が進展しているが、タグの挿入のようなゲノム編集ラインの確立は時間を要するステップである。したがって、一つのペプチドタグを高機能化・多機能化できれば、実験目的ごとのノックインやノックアウトの必要性を低下させ、研究の迅速化につながることが期待される。本研究は、発光タグとして開発されたHiBiTの高機能化・多機能化を通して遺伝子機能の解析の高度化・迅速化をもたらす方法を開発し、これをゼブラフィッシュ胚発生過程における転写因子の研究へと応用することを目的として実施する。 HiBiTタグは、NanoLucの2断片(HiBiTとLgBiT)の相補に基づく発光検出が可能なタグとして開発された11アミノ酸からなるペプチドタグであるが、両者は高い親和性で相互作用し得るため、アフィニティタグとしても利用できる可能性がある。一方、細胞内におけるタンパク質検出にナノボディが利用される場合が近年増加している。そこで、親和性が高いことが知られるALFAタグ-ナノボディ(NbALFA)の組み合わせとHiBiTタグとLgBiTの組み合わせの比較を行うことで、HiBiTとLgBiTの相互作用を利用するシステムの有効性を調べた。ALFAタグ-NbALFAの相互作用を利用したプロテインノックダウンが報告されていることから、HiBiTタグあるいはALFAタグを付加した緑色蛍光タンパク質GFP、F-boxを融合したLgBiTおよびF-boxを融合したNbALFAを用意した。それぞれの組合せをゼブラフィッシュ胚で発現させ、相互作用を通してGFPのタンパク質分解が生じるかを調べた。その結果、いずれの場合も両者の相互作用に依存したGFPの蛍光消失がほぼ同様に観察できたことから、HiBiTとLgBiTの相互作用はALFAタグ-NbALFと同様に利用できることが示唆された。この結果は、HiBiTタグが幅広いin vivo実験で利用可能なことを示唆する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ゼブラフィッシュの胚内でHiBiTとLgBiTの相互作用に基づいたHiBiTタグの利用が実現可能であること、その相互作用はALFAタグ-ナノボディ(NbALFA)の組み合わせ同様に利用可能なことを示唆する実験結果を得ることができており、今後の実験計画は予定通りに進むことが予想される。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はin vivo実験での利用に加えて、LgBiTを利用したin vitroにおけるHiBiTタグの検出法を確立に注力する。特に、LgBiTを直接蛍光ラベルする方法の有効性を調べる。
|