研究課題/領域番号 |
21K06209
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 東京工業大学 (2022-2023) 東京大学 (2021) |
研究代表者 |
城所 聡 東京工業大学, 生命理工学院, 助教 (70588368)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 植物 / 温度ストレス応答 / 低温 / 概日時計 / 環境応答 / 低温ストレス応答 / 翻訳後制御 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでに、植物の低温ストレス耐性獲得における鍵因子であるDREB1転写因子をコードする遺伝子の低温誘導性発現を直接活性化する転写因子として、RVE4およびRVE8を見出した。また、これら転写因子が低温ストレスに応答して核移行といった翻訳後制御を受けることを明らかにした。そこで、本研究計画では低温ストレスに応答したRVE4およびRVE8の翻訳後制御機構を明らかにし、低温特異的な遺伝子発現制御機構での役割を解明する。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き、シロイヌナズナの概日時計において中心的な役割を持つMYB様転写因子である CCA1の相互作用因子の網羅的探索により同定された2つのE3ユビキチンリガーゼ(以下、CCA1-interacting E3 ubiquitin ligase = CUL1、CUL2Aと表記する)の機能解析を進めた。 まず、胚軸伸長を示すcul2a変異体内で3xFLAGを融合したCCA1タンパク質を恒常的に発現するシロイヌナズナを作出した。得られた植物体における3xFLAG-CCA1タンパク質の蓄積量をイムノブロット解析に調べた結果、野生型内で発現させた3xFLAG-CCA1タンパク質よりも蓄積量が顕著に増加した。また、CUL2Aの相同遺伝子であるCUL2BとCUL2Cについて酵母ツーハイブリッド法を用いてCCA1との相互作用の確認を行った。その結果、CUL2BおよびCUL2CのC末端側断片について、CUL2Aと同様にCCA1全長との間に相互作用が確認された。 また、CCA1の低温ストレスに応答したタンパク質分解の制御メカニズムを明らかにするために、CCA1タンパク質のリン酸化の状態を解析した。3xFLAGを融合したCCA1タンパク質を恒常的に発現するシロイヌナズナを作出し、phos-tagを用いたイムノブロット解析を行った結果、CCA1のリン酸化が温度低下に応答して顕著に促進した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度に東京工業大学・生命理工学院へと異動し、研究設備の大幅な変更があった。そのため、植物の生育を含めた実験環境の整備に時間を要した。またCCA1 を過剰発現させると、シロイヌナズナの花成が極めて遅くなるため、形質転換植物の作出にも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
CCA1タンパク質の分解制御におけるリン酸化修飾の役割について解析する。CCA1内の PEST様配列を欠失させたことで温度低下によって分解されないCCA1Δの過剰発現植物体を用いてphos-tagを用いたイムノブロット解析を行うことで、PEST様配列のリン酸化状態と分解制御との関係を解析する。またPEST様配列のリン酸化部位を同定する。 CCA1相互作用因子候補として得られたCUL1とCUL2Aについて、CCA1と共発現する形質転換シロイヌナズナを用いて共免疫沈降を行うことで、 植物体内でのCCA1とCUL1、CUL2との相互作用を確認する。またCUL2BおよびCUL2Cとの多重変異体を作出し、CCA1タンパク質の蓄積量を解析する。
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