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植物にユニークな膜交通経路は、塩ストレス時になにをどのようにして輸送するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 21K06210
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分44030:植物分子および生理科学関連
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

中村 瑛海 (伊藤瑛海)  お茶の水女子大学, ヒューマンライフサイエンス研究所, 特任助教 (80726422)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
キーワード膜交通 / RAB GTPase / Effector / 環境ストレス応答 / エンドソーム / 植物細胞生物学
研究開始時の研究の概要

植物のみがもつ膜交通制御因子であるARA6は、植物にユニークな膜交通ルートを制御することで、植物の環境ストレス応答に対して重要な役割を果たす。しかしこの輸送ルートがなにを輸送し、どのようなメカニズムで結果的に植物個体の環境ストレス応答につながるのかは明らかでない。
そこで本研究では、植物に塩ストレス刺激を与えたときにARA6が輸送する積荷タンパク質、ならびに塩ストレス刺激時にARA6と協調して膜交通を制御するエフェクタータンパク質を、プロテオーム解析により網羅的に明らかにする。この研究で得られる因子の詳細解明を通じて、植物の環境応答に対する膜交通の役割の総合的な理解を目指す。

研究実績の概要

細胞内のタンパク質や膜脂質の配置は、膜交通という膜でできた中間体を介した物質輸送の仕組みにより決定される。研究代表者は、植物が独自の膜交通因子をもつことや、植物独自の膜交通制御因子が、真核生物に共通の仕組みに作用することにより独自の液胞輸送制御機構を構築していることを明らかにした。また、この植物にユニークな液胞輸送経路が塩ストレス応答などの環境ストレス応答において何かしらの役割を担うが、この輸送ルートが何を輸送に、どのようなメカニズムで結果的に植物個体の塩ストレス応答に繋がるのかは明らかでない。そこで、本研究では、シロイヌナズナの塩ストレス時に植物にユニークな液胞輸送経路が輸送する積荷タンパク質、ならびに、この輸送を駆動する分子群を単離することで植物の環境応答に対する膜交通の役割の総合的理解を深めることを目的とした。
これまでに実施した研究から、細胞内の特定のオルガネラに局在するナトリウムトランスポーターのひとつがオルガネラと液胞膜をサイクルし、このことがシロイヌナズナの塩ストレス応答に関与することがわかった。引き続き、この仕組みに関連する因子と積荷の単離を目指し、研究を遂行する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、塩ストレス応答に関与する分子で液胞へと運ばれる具体的な積荷をひとつ同定することに成功した。今後は、液胞輸送を制御する分子の変異体を用いて、これらの変異体のなかで、この分子がどのような動態を示すかを共焦点レーザー顕微鏡を用いて調査することで、この分子が液胞に運ばれる仕組みに関与する膜交通因子を絞り込む。
本研究計画では、培養細胞を用いた網羅的なスクリーニングを実施する予定であったが、形質転換培養細胞株を確立できなかった。この原因は調査中であるが、並行して、同様の計画に用いることができるシロイヌナズナ形質転換個体の確立を進めている。現在、T1個体の選抜を進めており、T2もしくはT3個体を用いることで、研究計画を遂行することができるとかんがえており、(2)と評価した。

今後の研究の推進方策

これまでの研究から、細胞内の特定のオルガネラに局在するトランスポーターのひとつが、その特定のオルガネラと液胞をサイクルすることにより植物の塩ストレス応答に寄与する可能性を見出した。そこで、真核生物に共通する膜交通制御因子や、植物固有の膜交通制御因子の変異体背景で、このトランスポーターをGFP融合で発現させ、変異体細胞内で可視化することにより、このトランスポーターの局在を決定する膜交通因子や輸送経路に関する情報を収集する。すでに系統の確立は終了しており、次年度は共焦点レーザー顕微鏡を用いた解析を実施する。そして、これまでに得られた知見を統合し成果を論文発表する。
また引き続き、塩ストレス応答時に植物ユニークな液胞輸送経路が運ぶ積荷の単離を行う。当初は培養細胞を用いることを想定していたが、形質転換培養細胞が獲得できず、引き続き原因を解明に努めている。一方で、同様の計画に実施できるシロイヌナズナ形質転換体の確立を進めている。この実験系ではシロイヌナズナ変異体を用いることが可能である点や、所属研究室の現有材料を用いることができる点が利点であり、引き続き、系統確立を進める。これにより本研究研究課題で掲げた目標を達成する。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] RAB GTPases and SNAREs at the trans-Golgi network in plants2022

    • 著者名/発表者名
      Ito Emi、Uemura Tomohiro
    • 雑誌名

      Journal of Plant Research

      巻: 135 号: 3 ページ: 389-403

    • DOI

      10.1007/s10265-022-01392-x

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] シンポジウム『植物の「代謝ロジスティクス」を捉える最先端』「細胞内の代謝ロジスティクスーエンドソームを中心とした膜交通の分子基盤」2023

    • 著者名/発表者名
      伊藤瑛海、植村知博
    • 学会等名
      日本植物学会 第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Molecular regulation of plant-unique membrane trafficking pathway in Arabidopsis2021

    • 著者名/発表者名
      Ito E.
    • 学会等名
      IRN France-Japan Frontiers in Plant Biology -Webinars 2021-
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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