研究課題/領域番号 |
21K06211
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
酒井 達也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10360554)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 光環境感覚 / フォトトロピン / 光屈性 / NPH3 / リン酸化 / 天然変性ドメイン / 光環境応答 / オーキシン / 突然変異体 |
研究開始時の研究の概要 |
NPH3 のリン酸化を介した細胞内局在と機能調節の仕組みついて、本研究は以下の4つの具体的問いに答えることによって明らかにする。 ① phot シグナリングにおいて、NPH3 が細胞質、細胞膜、どちらに局在することが活性化状態なのか? ② NPH3 の細胞質における凝集体形成は光順応と平行関係にあるが、因果関係があるのか? ③ NPH3リン酸化部位のアミノ酸置換体を用いた解析以外の方法によっても、図3の仮説モデルは支持されるか? ④ NPH3 は phot シグナリングの正に働く因子なのか負に働く因子なのか?
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研究実績の概要 |
植物が光源方向を感知し、物質生産性を最適化するように成長方向を調節する反応を光屈性という。動物の目にあたる特別な光受容器官を持たない植物が光源方向を認識する方法としては、光照射側の細胞と陰側の細胞が受ける光強度の違いが、光屈性誘導に働くなんらかのシグナル伝達物質(光生産物)の生産量の勾配を生みだし、光照射側では細胞伸長が抑制、陰側では逆に促進し光屈性を示すという、光生産物勾配仮説が提案されている。しかしながら、その分子機構の理解はこれまでほとんど得られていなかった。我々は、光屈性に必須の働きを示すシグナル伝達因子 NPH3 のリン酸化修飾調節が、シグナル伝達因子レベルの光順応機構を生み出すことを発見した。2021年度、本研究成果をまとめ、Plant Physiology誌及びPlant Signaling Behavior 誌で発表した。これまでの研究成果をふりかえり、我々は光屈性を誘導する青色光受容体フォトトロピン1とアダプタータンパク質 NPH3 の複合体の解離状態こそが「光生産物」の実体であること、明所における phot1 と NPH3 の解離による活性化状態と NPH3 の細胞膜再会合による不活性状態のバランス(勾配)の維持こそが光源方向の知覚として働くという光生産物勾配仮説の分子モデルを提案するに至り、2023年 J. Exp. Botany 誌にて総説として発表した。2023年度においては、pho1 及び NPH3 の天然変性ドメインがそれぞれの細胞膜局在及びタンパク質相互作用に働くという仮説の検証を進めた。それぞれの天然変性ドメインは光屈性応答における光感受性に影響を与えるものの、光屈性誘導に必須ではないことを明らかにした(未発表)。現在それぞれの天然変性ドメインの細胞内局在及びタンパク質相互作用における役割を解析している最中である。
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