研究課題/領域番号 |
21K06215
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
小牧 伸一郎 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50584588)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | Survivin / CPC複合体 / M期チェックポイント / 細胞分裂 / ゲノム倍加 / 染色体分離 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、可塑性を持つ植物ゲノムの原因を突き止めることを目的とし、継続的ストレス条件下での植物特異的なM期チェックポイントの制御機構を明らかにすることを目指す。特に研究代表者が新規に発見した、植物におけるSurvivinの機能的ホモログと思われるBORI1およびBORI2の機能解析を進めることで、ストレス時のCPC複合体の局在制御に迫る。CPC複合体は、酵母から動物まで高度に保存された複合体であるにもかかわらず、植物ではその構成因子の1つが完全に別のタンパク質に置き換わっている可能性があり、進化的側面からも興味深い研究となっている。
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研究成果の概要 |
CPC複合体は、Aurora kinase、INCENP、Borealin、そしてSurvivinから構成される。しかし、Survivinのオルソログは動物と菌類でしか同定されていなかった。 研究代表者は、植物のSurvivin様タンパク質としてBORI1とBORI2を同定した。驚くことに、BIRドメインを介して染色体に結合するSurvivinとは異なり、BORIsはFHAドメインで染色体に結合した。配列比較の結果、BORIsとSurvivinは、もともと同一のタンパク質に由来し、その後の進化の過程で、各生物群において異なる染色体結合ドメインが付加されるという収斂進化が起こったことが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
動物のSurvivinは、アポトーシスの制御因子として同定された。このアポトーシス経路でのSurvivinは、BIRドメインによってカスパーゼを抑制することから、SurvivinはBIRドメインを持つタンパク質であると信じられてきた。そのため、BIRドメインを持つタンパク質が存在しない生物には、Survivinのホモログも無いと考えられてきた。本研究は、これまで不明であった植物でのCPC複合体の局在機構を明らかにしただけにはとどまらず、Survivinの本体がヘリックス領域であると再定義することを可能とし、全ての真核生物にSurvivin /BORIタンパク質が保存されていることを示した。
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