研究課題/領域番号 |
21K06218
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
町田 千代子 中部大学, 応用生物学部, 特定教授 (70314060)
|
研究分担者 |
小島 晶子 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (10340209)
町田 泰則 名古屋大学, 理学研究科, 名誉教授 (80175596)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 葉の発生分化 / 核小体 / AS2/LOB family / AS2/LOBドメイン / エピジェネティック制御 / 45S rDNA / 核小体ストレス / シロイヌナズナ / クロモセンター / 相分離構造体 |
研究開始時の研究の概要 |
シロイヌナズナの葉の表裏軸形成の鍵因子であるAS2は、約100アミノ酸からなる植物に固有のAS2/LOBドメインを持つAS2/LOB familyのメンバーである。近年AS2/LOB family は、発生分化や環境応答、植物ホルモン制御等の多様な機能との関連が示唆されている。AS2/LOBドメイン内にはDNA結合活性を持つジンクフィンガーモチーフがすべてのメンバーで保存されている。またAS2は核小体周縁部内側に顆粒状に局在し遺伝子サイレンシングの場として機能すると考えられる。最も研究が進んでいるAS2の分子的機能の解明を基軸として、動物とは異なる植物の生存戦略の根幹に関わるメカニズムに迫る。
|
研究実績の概要 |
シロイヌナズナの葉の表裏軸形成の鍵因子であるAS2は、植物に固有のAS2/LOB familyのメンバーである。AS2/LOB familyは、植物固有のAS2/LOBドメイン構造を持ち、植物界にのみ見られるファミリーである。近年、AS2/LOB familyのメンバーについての多数の報告があり、発生分化や環境応答、植物ホルモン制御等の多様な機能との関連が示されていることからAS2/LOB familyは、植物に特徴的な生存戦略と密接に関連があることが示唆されてきた。AS2はその中でも最も研究が進んでいる分子である。AS2は葉の裏側化因子であるETT/ARF3の発現を直接抑制してエピジェネティックに抑制を維持する。AS2は核小体周縁部内側に2個の顆粒(AS2 body)として検出され、45S rDNA repeatsを含むクロモセンターと部分的に共局在する 。また、葉の表裏軸形成にはAS2と共に核小体機能と密接な関連を持つ多くの因子が関わる。AS2はETT/ARF3のExon 1 のCGCCGC配列へ結合することがわかっているが、AS2 body形成とこの配列への結合との関連性、核小体機能との関連性については明らかになっていない。そこで本年度は、第一にAS2 body形成とCGCCGC配列への結合に必要なAS2のアミノ酸配列について解析した。第二に核小体タンパク質遺伝子の変異体におけるAS2 bodyの形状、45SrDNAとの関連性について解析した。その結果、AS2 body形成とDNA結合活性は密接な関連があることがわかった。核小体タンパク質はAS2 bodyを安定的に形成するために必要な核小体の構造の維持に関わると考えられた。AS2は、AS2 bodyを形成することによって、多少核小体の機能が低下しても(核小体ストレス)葉の発生を正常に保つための重要な因子と考えられる。
|