研究課題/領域番号 |
21K06224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44030:植物分子および生理科学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高林 厚史 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (90546417)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 光合成 / 陸上植物への進化 / 光防御機構 / 熱放散機構 / PsbS / 緑藻 / 光化学系 / 光化学系の分離 / Native-PAGE / メソスティグマ |
研究開始時の研究の概要 |
陸上植物の誕生は地球の生命史における重要なイベントであり、淡水性緑藻であるストレプト藻の1系統が陸上植物に進化したと考えられている。そして、水中に生息する緑藻から陸上植物への進化においては光防御機構の獲得が極めて重要なプロセスであった。光防御機構の中で最も重要な機構は「熱放散機構」である。この機構は厳密に制御されており、吸収した光エネルギーが光合成活性よりも過剰な時には強く誘導される。本研究では、ストレプト藻のメソスティグマ(Mesostigma viride)の光防御機構、とりわけ熱放散機構を明らかにし、その陸上化におけるダイナミックな変化を明らかにすることを目的とする
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研究成果の概要 |
植物にとって陸上は乾燥、UV、強光などの環境ストレスに曝される過酷な環境である。そのため、淡水性緑藻から陸上植物への進化の際には光防御機構を獲得する必要があった。その防御機構の制御を司る遺伝子がPsbSである。PsbSは緑藻と陸上植物で機能や役割が異なると報告されているが、どの時点から変わったのかは不明である。本研究では、陸上植物の祖先のストレプト藻類のPsbS遺伝子をシロイヌナズナに導入した結果、そのPsbSが陸上植物と同様に機能することを見出した。興味深いことに、緑藻のPsbSの安定性は顕著に低かったことから、安定性の向上が陸上植物への進化の鍵だったのだろう。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物は光に対する防御機構を持たなければ、強い太陽光を受けると直ちに枯死してしまう。 そのため、水中に生息する緑藻から陸上植物への進化においては光防御機構の獲得が極めて重要なプロセスであった。本研究ではその光防御機構の制御を司るPsbSタンパク質に着目し、陸上植物への進化においてはその安定性の向上が鍵であっただろうことを見出した。
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