研究課題/領域番号 |
21K06241
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
荻原 克益 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (00422006)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 卵巣 / 濾胞選択 / エストラジオール / 閉鎖濾胞 / アクチビン / アポトーシス / アロマターゼ |
研究開始時の研究の概要 |
少しでも質の良い卵を選択し、次世代へと提供するシステム(濾胞選択)が多くの哺乳類卵巣には備わっているが、その分子メカニズムを明らかにすることが本研究の目的である。本研究は、2020年度で終了した基盤研究(C)の研究課題の継続研究であり、アクチン-インヒビン-エストラジオール17β系が濾胞選択に関与するという先の研究結果に基づいて展開される研究課題である。これまでのアプローチとは異なる角度から本課題解明に取り組むことにより、これまで解明できなかった濾胞選択の分子機構の詳細に迫る。
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研究実績の概要 |
マウス卵巣には成長を開始する前の原始濾胞が多数存在する。あるホルモンの刺激によりいくつかの原始濾胞が成長を開始するが、大部分はその途中でアポトーシスにより死滅し、生き残った濾胞のみがさらに成長し排卵へと至る。この過程は「濾胞選択」と呼ばれ、本研究ではこの分子機構の解明を目指して研究を進めている。人工的に排卵を誘導する際、ホルモン処理(PMSGもしくはeCG/hCG等)により20-30個程度の卵が排卵されるが、ある特殊なホルモン試薬を用いることにより100個程度の排卵が起こることから、このホルモン試薬が濾胞選択を抑制していると考え、現在はこのホルモンの作用機序の解明に取り組んでいる。これまでの研究から、この試薬により誘導されたアクチビンがエストラジオールの産生、分泌を誘導し、増加したエストラジオールによりアポトーシスが抑制されるという仮説を立てた。今回は、エストラジオールがどのようにしてアポトーシスを抑制するかを明らかにするために、エストラジオールにより発現量が変動する因子の探索を行った。まず始めにRNA seq解析の結果からコントロールと比較してホルモン試薬処理を行ったマウス卵巣において発現が変動する因子を選別し、それらの因子の発現が器官培養した卵巣においてエストラジオールにより変動するかどうかを調べた。その結果、ある代謝系に関与する因子のいくつかの発現が有意に変動することを突き止め、また、その代謝産物量も有意に変動することを発見した。今後は、これらの因子の基礎的な解析(タンパク質発現や局在、活性の有無等)を行うとともにこの代謝系がアポトーシスに関与するかどうかを解析していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書の研究計画に沿って研究が進展している。計画内で掲げた9項目の内、7項目が完了もしくは着手済みであることから、おおむね順調に進展しているという判断である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究計画調書の研究計画に沿って研究を進めるとともに、当初想定していた内容とは異なる成果が得られていることからこちらの研究も精力的に進める。
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