研究課題/領域番号 |
21K06242
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
市原 健介 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 助教 (60610095)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 海藻 / 有性生殖 / ゲノム編集 / 配偶子接合 / アロ認証 / 進化 / 緑色植物 |
研究開始時の研究の概要 |
生物は、細胞間の相互作用・認識によって、同種の異性を見つけ出し、有性生殖を行なう。緑色海藻スジアオノリの生殖様式は単純な異形配偶子接合で、雌雄の配偶子を混合すると、配偶子は凝集し、鞭毛の先でお互いの性や種を認識し、同種の異性であることがわかると瞬時に細胞融合が進む。スジアオノリ配偶子の性差は、認識に機能する鞭毛と、細胞融合を開始する接合装置に集約されているようだ。本研究では、ゲノム編集とタンパク質の相互作用解析によって、アオノリ配偶子間の「認識」と「融合」に重要な役割をもつタンパク質の実体と機能を明らかにし、種と性の「認識」と細胞の「融合」という有性生殖の根幹となるシステムを理解したい。
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研究成果の概要 |
本研究は、海産緑藻アオノリの雌雄配偶子の間の「認識」と「融合(受精)」に重要な役割をもつタンパク質の実体と機能を明らかにすることを通して、原始的な雌雄性というものがどのような構造の違いや性質の違いから始まったものであるかを明らかにすることを目的とした。雌雄配偶子の間の比較プロテオームから、「認識」と「融合(受精)」に関連するタンパク質を同定することができた。また、その内の一つのタンパク質(GEX2)について、ゲノム編集によって、遺伝子を破壊したオス配偶子では受精能を消失すること、このタンパク質はオスの接合装置(受精開始部位)付近に存在することを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アオノリの配偶子接合は非常に単純で原始的であるが、この単純さは有性生殖の根幹である配偶子間の「認識」と「融合」の仕組みを解き明かす上では、大きな利点である。被子植物や動物では受精時の配偶子間の細胞膜の動態を観察することは組織の複雑さから困難を伴うが、アオノリでは配偶子間の膜の接着や融合をより簡便に直接観察することができる。この構造的な単純さを利用することで、細胞がお互いを正しく認識し融合する仕組みを解き明かしたい。植物では受精に関わる遺伝子は藻類から陸上植物まで保存されているものが多く、海藻で明らかにした受精の仕組みを有用作物の品種改良などへ還元することも期待できる。
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