研究課題/領域番号 |
21K06246
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
中町 智哉 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (30433840)
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研究分担者 |
松田 恒平 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (60222303)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PACAP / ゼブラフィッシュ / 行動解析 / 記憶学習 / 社会性行動 / in situ hybridization / 行動 / オプトジェネティクス |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物に共通した生得的な行動は魚類において既に獲得していたと考えられている。そこで本研究では、脊椎動物に共通した行動制御システムを解明することを目的として、ゼブラフィッシュを用いて脊椎動物の進化の過程で高度に保存されている神経ペプチドである下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)およびPACAP受容体の機能を解析する。従来のリガンド投与後の行動変化を観察する実験手法をベースに、光活性化タンパク質を導入したノックイン(KI)系統を作出して、実験を発展させる。さらに、RNAシークエンシング等により、PACAPに関連した遺伝子群やシグナル伝達経路を同定する。
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研究実績の概要 |
本研究課題では真骨魚類特異的ゲノム重複により重複化したPACAPまたはPAC1-R遺伝子について、遺伝子改変技術などを用いて行動生理学的な解析を行うことにより、脊椎動物の動作基盤を解明することを目的として研究を進めている。これまでにCRISPR/Cas9法を用いて、PACAP1およびPACAP2 KOゼブラフィッシュ、PAC1a-RおよびPAC1b-R KOゼブラフィッシュ系統の作出に成功した。これらのうち、PACAP2 KOゼブラフィッシュではホモ型個体で高い死亡率を示すことが明らかとなった。 PACAPと記憶学習行動との関係性について、ゼブラフィッシュ(zf)PACAP1またはzfPACAP2の腹腔内投与後の短期記憶への影響を評価するため、新たにE字型の記憶学習評価方法を確立した。zfPACAP1投与はE字迷路学習を用いた短期の空間認知機能を増強させたが、zfPACAP2投与では効果が見られなかった。また、PAC1a-RKO またはPAC1b-R KOゼブラフィッシュでは、ともに野生型ゼブラフィッシュよりも短期記憶能が低下した。これらの結果から、重複化したzfPACAPのうち、短期には主にPACAP1と2つのPAC1-Rが関連している可能性が示唆された。また、昨年に引き続き実施している社会性行動の評価系を用いた実験において、zfPACAP1またはzfPACAP2の腹腔内投与実験を再度検証したところ、zfPACAP2の腹腔内投与は社会性行動を増加させたが、PACAP1の腹腔内投与は社会性行動に影響を与えなかった。この結果は重複化したPACAPのうち、PACAP1のみが社会性行動の制御に関わることを示唆している。さらにin situ hybridization法により、ゼブラフィッシュにおけるPAC1a-RとPAC1b-RmRNAの脳内分布について明らかになり、多くの脳領域で両PAC1-R mRNAが存在するものの、一部の脳領域では一方のPAC1-R mRNAのみが局在することが明らかになったことから、これらの脳領域では片方のPAC1-Rが特異的な機能を担う可能性が考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PACAP投与後の行動解析実験およびPAC1-R mRNAのin situ hybridizationは順調に進んでおり、結果も得られている。一方で、PACAPまたはPAC1-R KOゼブラフィッシュの繁殖・飼育がうまくいっておらず、実験に使用するために十分な個体数を確保できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
上述のように、PACAPまたはPAC1-R KOゼブラフィッシュの個体数が確保できなかったことから、今年度は繁殖を優先することにした。現状では個体数が回復してきているので、次年度にはKOゼブラフィッシュを用いた解析を中心として実験を進める予定である。また、魚類のストレス応答におけるPACAPの機能解析についてもCRHとの関連性に焦点を当てて研究を進める。
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