研究課題/領域番号 |
21K06249
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小林 勇喜 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 特定准教授 (80736421)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 一次繊毛 / GPCR / NPYR / Gタンパク質共役型受容体 / 神経ペプチドY / 摂食 / ニューロペプチドY / NPY2R / NPY5R |
研究開始時の研究の概要 |
一次繊毛は、細胞が一本のみ保有する不動のオルガネラであり、その攪乱は肥満など様々な疾患と結びつく。これまで生命現象の根幹を担う細胞内シグナルの解析は、細胞膜上に発現した受容体を介して研究が進められてきた。しかし近年、摂食に関与する複数のGタンパク質共役型受容体(GPCR)が細胞膜ではなく、一次繊毛膜特異的に発現するという報告がなされた。そこで申請者は、一次繊毛局在型GPCRの生理機能を真に解明するために、「一次繊毛に局在する受容体の特徴的なシグナル経路」に着目した。本申請では、一次繊毛を保有する特殊な培養細胞を用いて、摂食・エネルギー代謝機構解明のブレイクスルーを目指す。
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研究成果の概要 |
一次繊毛は、殆どの細胞が一本のみ保有するオルガネラであるが、不動であることから100年近く忘れられていた。近年になり、幾つかのGタンパク質共役型受容体(GPCR)が細胞膜ではなく一次繊毛膜上に局在することが報告された。一次繊毛内は細胞質と物理的に隔てられているため、GPCRの一次繊毛特異的な振る舞い(細胞内シグナル)が生じている可能性がある。本申請では、摂食に関与する神経ペプチドY(NPY)受容体に着目して研究を行った。その結果、NPY2RとNPY5Rが一次繊毛特異的に発現し、NPYに応答し一次繊毛を短縮させること。加えて、生体内においても同様の現象が生じることも突き止めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで生命現象の根幹を担う細胞内シグナルの解析は、細胞膜上に発現した受容体を介して研究が進められてきた。これは、培養細胞作出の過程でほとんどの細胞の一次繊毛が退化してしまうことに起因する。そこで申請者は、一次繊毛局在型GPCRの生理機能を真に解明するためには、「一次繊毛という特異なオルガネラに局在する受容体の特徴的なシグナル経路」を明らかにすることの重要性を提唱してきた。本申請は強力な摂食亢進作用を有するNPY受容体に着目したものであり、本来の発現場所である一次繊毛における挙動を詳細に解析した。本研究成果は肥満を含む現代病の新規創薬等の橋頭保となりえる基礎研究である。
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