研究課題/領域番号 |
21K06256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
蓮沼 至 東邦大学, 理学部, 准教授 (40434261)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経新生 / プロラクチン / 間脳 / 視索前野 / 有尾両生類 / アカハライモリ / 脈絡叢 / 副生体 / 神経幹細胞 / 第3脳室 / 神経前駆細胞 / 第三脳室 / 生殖活動 / アルギニンバソトシン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、まず成体雄アカハライモリの間脳視索前野の増殖細胞が、どのようなタイミングでどの程度の割合で神経細胞へと分化するかを解析する。次いで、下垂体前葉ホルモンのプロラクチン(PRL)が、間脳視索前野の神経幹細胞に直接作用して細胞増殖を促すか否かを検証する。さらにイモリ間脳視索前野の細胞を用いたニューロスフェア法により、PRLが神経新生を促すかを検証する。最後に、間脳視索前野の新生神経細胞が、雄イモリの求愛行動発現時に活性化するかを検証し、新生神経細胞の生殖活動への関与を解析する。
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研究成果の概要 |
有尾両生類アカハライモリの間脳視索前野で神経新生が生じていることを証明した。PRLがイモリ間脳視索前野の細胞増殖を促す機構については、本研究によりイモリ第三脳室脈絡叢-副生体複合体にはPRL受容体とIGF-I, IIが発現していること、さらに、間脳視索前野の増殖細胞はPRL受容体とIGF-I受容体を発現することを明らかにした。よって、血液中のPRLが第三脳室脈絡叢-副生体複合体のPRLを介して血液から脳脊髄液中に移送され、そのPRLが直接細胞増殖を促す可能性とPRLが第三脳室脈絡叢-副生体複合体のIGF-I, IIの発現を促し、IGF-I, IIが細胞増殖を促す可能性があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
齧歯目動物でPRLが神経前駆細胞の増殖を促すとの報告があるが、PRLが直接細胞増殖を促す確たる証明はまだない。本研究では有尾両生類のイモリでもPRLが神経前駆細胞の増殖を促すことを示し、またPRLが直接神経前駆細胞に作用する直接作用の可能性とPRLが第三脳室脈絡叢-副生体複合体に発現するIGF-I, IIの合成を促し、IGF-I, IIが細胞増殖に関わる間接作用の可能性を示すことができた。PRLやIGF-I, IIが実際にイモリ神経前駆細胞の増殖を促すかをin vitroで証明するなども必要ではあるが、PRLの脳に対する新たな作用機序の可能性を示す成果であると言える。
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