研究課題/領域番号 |
21K06257
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44040:形態および構造関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
広野 雅文 法政大学, 生命科学部, 教授 (10212177)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 基底小体 / トリプレット微小管 / SAS-6 / Bld10p / 微小管 / クラミドモナス / basal body |
研究開始時の研究の概要 |
Centriole(以下、中心子)は、9本のトリプレット微小管からなる特徴的な構造をもち、細胞周期ごとに母中心子の側面から出芽するように形成される。本研究は、母中心子が娘中心子の微小管形成の場を制限し、トリプレット数の決定に寄与していることを明らかにすることを目的とする。中心子のトリプレット数がバラつくクラミドモナス突然変異株とそれを遺伝子改変した株を用いて、微小管数が極端に少ない中心子を野生型細胞質中で複製させる実験系を開発し、母中心子の微小管数に応じた娘中心子が形成されるかを検討する。これにより中心子が鋳型依存的な複製によって形成されることの意味を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の到達目標は、微小管の数が正常な9本ではなく6本や7本などの大きく異なる数の中心子を形成するクラミドモナス株を作出し、そこから形成される娘中心子の微小管数を計測し、母中心子の鋳型としての役割を解明することである。そのために、1)母・娘中心子ペアの微小管数を計測する技術と、2)微小管数が異常な中心子を正常な細胞質中で複製させる技術を開発する必要がある。 1)については、昨年度は、集束イオンビーム(FIB)加工を用いたSEM観察によって三次元構造の再構成を試みたが、微小管数が判別できるほどの解像度の画像を得ることはできなかった。そこで今年度は、単離した母・娘中心子ペアの微小管を蛍光タキソールで可視化し、それらを膨張顕微鏡法(Expansion microscopy)で観察することを試みた。膨張顕微鏡法は、試料をゲルに包埋して膨張させてから観察する方法で、中心子の微小管数が判別できることが報告されている。現在は単離中心子をゲルに包埋する条件などを検討中である。今後はこの方法で母・娘中心子間の微小管数の相関を検討する予定である。 2)については、クラミドモナスの接合現象を利用して、遺伝子操作によって微小管数が異常になった細胞と野生型細胞を融合する方法を検討していた。しかし、細胞融合後に二倍体細胞として増殖する細胞の割合がごくわずかであることが判明し、そのような細胞を追跡することが困難であることが明らかとなった。今後は、細胞周期の同調が容易なクラミドモナス株(C239株)を用い、中心子複製期の細胞質を調製して、中心子のin vitro複製の可能性を探る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
透過型電子顕微鏡を用いたトモグラフィーで母・娘中心子ペアのそれぞれの微小管数を計測する予定であったが、未だに導入されていないため、FIB-SEMなどを試みたが、それもうまくいかなかった。現在、膨張顕微鏡法という別な方法を試みているが、経験のない方法であるため、条件検討などに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
単離した母・娘中心子ペアの微小管を蛍光タキソールを用いて可視化し、膨張顕微鏡法で観察することにより、それぞれの微小管の数を判別する方向で作業を進めている。この方法で微小管数が判別できれば、母・娘中心子ペアの例数を確保することは容易であるため、研究計画が大きく進捗することが期待できる。
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