研究課題/領域番号 |
21K06263
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
池田 真行 富山大学, 大学本部, 理事・副学長 (10288053)
|
研究分担者 |
仲村 朋子 (吉川朋子) 富山大学, 学術研究部教育研究推進系, 准教授 (30451397)
今野 紀文 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (50507051)
森岡 絵里 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (80756122)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 体内時計 / バイオイメージング / ガンマアミノ酪酸 / 昼行性行動 / ナイルグラスラット / 時計遺伝子 / 発光イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
行動の昼・夜行性を問わず、体内時計中枢(SCN)ニューロンの活動リズムや時計遺伝子の転写リズムの位相角関係はほぼ一定であることが報告されている。どの脳神経回路を介して多様な行動リズムを決定しているのかについては、未解決の問題である。本研究では、ナイルグラスラットを用いて、昼行性行動リズムの発現機構を発光イメージングにより解析する。ナイルグラスラットの神経活動レポーター(Arc-ルシフェラーゼ)や時計遺伝子ルシフェラーゼレポーターを作成し、これを用いて視床下部スライスの広域発光イメージングを行う。これらの発光リズムパターンを、夜行性のマウスと比較することで、脳内リズム位相転換点を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
(1)昼行性ナイルグラスラットのBmal1遺伝子プロモーター領域の下流にルシフェラーゼ遺伝子を挿入したレポーターを作成した。また、ナイルグラスラットの肺から単離した線維芽細胞にレポーターを安定発現させたモデル細胞株を樹立した。この細胞では約24時間周期の発光リズムが観察された。また、この細胞では、ヒトの光による位相反応と相似したアドレナリン刺激による位相反応が観察された。 (2)SCNニューロンの1次投射先である室傍核下部領域の腹側(vSPZ)において、ナイルグラスラットのGABA応答性が強い抑制性の応答であるのに対し、夜行性マウスでは興奮性の応答が得られることが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
(1)については論文発表準備中である。また、AAVベクターを用いた脳組織へのレポーター遺伝子の発現実験は継続中である。(2)については、夜行性と昼行性のスイッチング機構として、視床下部SPZ領域のGABA応答が重要であることを示唆している。この内容は、2023年の日本時間生物学会において優秀演題賞を受賞している。また現在、生物学分野のTOP10%論文に投稿しリバイズ中である。体内時計の仕組みは、これまで主に中枢振動体の振動機構を中心に研究されてきたが、本研究により、ヒトにおいて大きな社会問題として捉えることができる夜型行動が、視交叉上核の投射先のGABA興奮性により出現する可能性が示唆された。
|