研究課題/領域番号 |
21K06265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
山下 絵美 (川野絵美) 奈良女子大学, 自然科学系, 准教授 (80804583)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ロドプシン / 光受容 / 非視覚 |
研究開始時の研究の概要 |
無顎類ヤツメウナギ脳から、非視覚光受容タンパク質(bPPL)遺伝子を単離し、それが中脳のシェーバーのM5核と呼ばれる神経核に局在することを見出した。このシェーバーのM5核は、脳から網膜へ直接神経投射する遠心性ニューロン(向網膜系ニューロン)で構成されており、脳で受容した光情報が網膜へと伝達されることが示唆された。そこで、本研究では、「脳内で受容した光情報を眼で利用する」という新しい光受容の可能性について検討する。
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研究成果の概要 |
私たちは近年、円口類ヤツメウナギ脳で新しい光受容器官を発見した。この光受容器官は向網膜系ニューロンと呼ばれる特徴的な細胞群で構成される。本研究では、この脳内光受容器官がどのような生理機能に関わるのかを理解するために、これらの細胞群がもつ様々な特徴を調べた。光受容細胞の光入力部の形態や光情報を出力する細胞の組織学的特徴を調べ、脊椎動物が有する光受容細胞の共通する特徴を見出した。また、硬骨魚類の向網膜系ニューロンの組織学的解析から、ヤツメウナギのものと共通する特徴を発見した。さらに、ヤツメウナギの行動解析から、非視覚の光受容が遊泳行動の制御に関わる可能性を見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
非視覚の光受容はあらゆる動物がもつ共通の機能であるが、それらが局在する領域や生理機能などは動物種によって多様化している。本研究では、ヤツメウナギで発見した新規の脳内光受容器官がどのような機能を担うのか、その機能は脊椎動物で共有するのかを理解するために解析を行った。近年、光環境がもたらす動物への影響が取り上げられる中、非視覚の光受容に大きな注目が集まっている。ヤツメウナギという最も原始的な脊椎動物に着目することで、動物と光の根源的な関係の理解につながると考えられる。
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