研究課題/領域番号 |
21K06268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
有川 幹彦 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (20432817)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 原生生物 / アンヒドロビオシス / トレハロース / コルポーダ / 乾燥耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
ある種の生物は、代謝を完全に停止させた状態で乾燥環境を生き抜く。これをアンヒドロビオシス(乾燥無代謝休眠)という。体内においてトレハロースが水と置き換わることで乾燥耐性が獲得されると考えられている。しかし、乾燥耐性の獲得機構や再水和による覚醒機構については、全容の解明には至っていない。 本研究では、原生生物コルポーダの休眠シスト形成過程および脱シスト過程において、トレハロース代謝系に介入し、乾燥耐性に対する影響について確認することで、トレハロースの分子動態と乾燥耐性との関連性を明らかにする。これにより、アンヒドロビオシス現象において、細胞の乾燥耐性獲得機構の解明に大きく貢献すると期待できる。
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研究実績の概要 |
ある種の生物は、代謝を完全に停止させた状態で乾燥環境を生き抜く。これをアンヒドロビオシス(乾燥無代謝休眠)という。体内においてトレハロースが水と置き換わることで乾燥耐性が獲得されると考えられている。しかし、乾燥耐性の獲得機構や再水和による覚醒機構については、全容の解明には至っていない。本研究では、原生生物コルポーダの休眠シスト形成過程および脱シスト過程において、トレハロース代謝系に介入し、乾燥耐性に対する影響について確認することで、トレハロースの分子動態と乾燥耐性との関連性を明らかにすることを目的とした。 しかしながら、これまでの観察実験の結果より、コルポーダ休眠シストの乾燥耐性はトレハロースの蓄積ではなく、他の物質によりもたらされる可能性が示唆されている。まず、昨年度に引き続き、熱可溶性のチューブリン分子が関わっている可能性について検証を行った。チューブリン分子は、熱処理によって全てが可溶化されるわけではなく、可溶性分画に含まれるチューブリン分子の割合も実験によってばらつきが見られた。これはシスト形成誘導後の経過時間の違いを反映しており、細胞が球形化し繊毛が退縮する現象と関連がある可能性を示唆している。一方で、コルポーダの栄養細胞およびシスト形成誘導2時間後のRNA-seq解析データにおいて、緩歩動物に属するクマムシの乾燥耐性に関与するCHASおよびSHASに類似した熱可溶性タンパク質の探索を行ったが同定には至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、コルポーダ休眠シストの乾燥耐性がトレハロースの蓄積によりもたらされるものと考えていた。したがって、元々の研究計画はそれを実証することを目的として立案したものであった。しかし、研究の進捗に伴い、LEAタンパク質やCAHSタンパク質、SAHSタンパク質など、トレハロース以外の物質の関与が考えられたため、研究計画を変更した。そのため、現在までの進捗状況はやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、コルポーダ休眠シストの乾燥耐性がトレハロースやトレハロース以外の糖質の蓄積によりもたらされる可能性について検証しつつ、熱可溶性タンパク質であるCAHSタンパク質やSAHSタンパク質、さらには脱水ストレス誘導性の熱ショックタンパク質やLEAタンパク質の関与について、それらの遺伝子の存在、発現の確認、休眠シスト形成にともなうタンパク質の発現変動、そして休眠シスト内における機能を明らかにすることを目指す。
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