研究課題/領域番号 |
21K06270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
大坪 義孝 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 准教授 (00380725)
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研究分担者 |
山崎 隆志 佐世保工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (20270382)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 振動性脱分極応答 / 受容器電位 / マウス味蕾 / G蛋白質連結型味受容体 / 穿孔パッチクランプ法 / 活動電位 / 茸状乳頭味蕾 / 味細胞 / 味応答 / 振動性受容器電位 / 穿孔パッチクランプ / バイオサイチン取込 / A型K電流 / 振動性膜電位 / 色素取込実験 / 膜電位振動 / 脱分極 / G蛋白質連結型受容体 / シグナル伝達 / 伝達物質 |
研究開始時の研究の概要 |
感覚器官の細胞は、外界の刺激を電気信号に変換し神経伝達物質の放出量を変化させることで、神経系へ外界の情報を伝達する。視細胞は光刺激により過分極性の受容器電位を発生し、シナプス小胞によるグルタミン酸の放出量を減少させる。嗅細胞はにおい刺激により脱分極し、嗅神経軸索を活動電位が伝播、グルタミン酸を放出する。しかし、味を受容する味細胞の受容器電位は不明である。本研究は、味細胞の生体内環境を保存した標本を用いて、G蛋白質型味物質受容体(甘味、苦味、旨味受容体)を持つ味細胞の受容器電位生成機構および伝達物質放出機構を明らかにすることで、生体における味受容機構の初期過程を解明する。
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研究成果の概要 |
味の認識は味物質と口腔内に分布する味細胞との接触から始まる。味細胞は味物質が持つ化学情報を生体情報である電気信号に変換する。しかし、味細胞が生成する電気信号(受容器電位)は不明であった。本研究で、甘味、苦味、うま味、および塩味物質に対して、味細胞が活動電位を伴う振動性の脱分極応答を発生すること明らかにした。振動性の脱分極応答の周波数と振幅は味物質濃度依存的に増大し、周波数は~1Hz、振幅は約Δ50 mVに増加した。一方、酸味物質に対してⅢ型味細胞は活動電位を伴う脱分極応答を示した。これらの結果は、活動電位の発火周波数と膜電位振動の振幅の両方が、味の“濃さ”の表現に寄与していることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
味認識の初期過程である味の検出機構において、甘味、うま味、苦味受容細胞(Gタンパク質連結型味受容体を発現)は振動性の脱分極応答を示すことを明らかにした。興味深いことに一部の塩味受容細胞も膜電位振動を示した。味細胞に膜電位振動を発生させる外部装置を開発することで、味の修飾が可能かもしれない。低糖食や減塩食でも美味しく食べられる装置の開発に繋がることを期待する。
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