研究課題/領域番号 |
21K06276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44050:動物生理化学、生理学および行動学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
守山 禎之 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30707394)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 社会性昆虫 / 時計遺伝子 / 概日時計 |
研究開始時の研究の概要 |
社会性昆虫を用いた行動生理学的研究では、ミツバチなどで個体間の相互作用が概日リズムに影響を与えることが明らかになっている。しかし、コミュニケーションと概日リズムの同調、すなわち社会的同調のメカニズムは明らかになっていない。そこで、本研究では社会性昆虫であるクロオオアリを用い、情報伝達と概日時計の同調機構を行動生理学と分子生物学の両方からのアプローチで解析することで概日時計と社会的同調のメカニズムを分子レベルで明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
社会性昆虫におけるコミュニケーションと生体リズムの同調の詳細なメカニズムは未解明であり、個体に組み込まれた測時機構である概日時計に、社会などの集団生活における他個体との相互作用がどのような影響をおよぼすのかは明らかになっていない。本研究では、社会的同調と時計遺伝子の直接の関与を明らかにすることを目指している。本年度は、RNAシークエンシング解析により新たに時計遺伝子cycle,clockwork orangeと予想される配列と、遺伝子発現解析に用いるリファレンス遺伝子の配列が得られた。昨年度得られた時計遺伝子period,Clock,cryptochrome,vrilleの部分配列も含めてリアルタイムPCRを用いて遺伝子発現解析を行った。その結果、明期12時間暗期12時間のサイクル下において、period,cryptochrome遺伝子は暗期の中頃にピークを持つ発現が見られた。cycle,clockwork orange遺伝子は暗期の中頃にピークを持つ発現が見られた。他の昆虫同様これらの遺伝子がリズム発振に重要な役割を担っていると考えられる。これらの時計遺伝子の機能解析のためインジェクターを用いて腹部に二本鎖RNAを導入し、RNA干渉実験試みているが、現在までにどの遺伝子を導入しても活動リズムに有意な変化は観察されていない。二本鎖RNAの再設計、濃度等などを検討し試行中である。脳内の時計遺伝子発現細胞の所在を明らかにするため、period遺伝子配列を用いてプローブを作製しin situ ハイブリダイゼーションを行った結果、脳内背側にperiod発現している可能性のある神経細胞群が観察された。他の時計遺伝子でもin situ ハイブリダイゼーションを行い、時計細胞の所在を詳細に明らかにする必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
RNAシークエンシング解析によりさらにいくつかの時計遺伝子の部分配列が得られ、リアルタイムPCRに用いるリファレンス遺伝子の配用が得られたことで、遺伝子発現解析は予定通り進展した。また、in situ ハイブリダイゼーションでは、他の時計遺伝子を用いたさらなる解析が必要だが、足がかりとなる結果が得られた。しかし、機能解析のRNA干渉実験は試みているが未だ良い結果が得られておらず、研究全体としてやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
①RNAシークエンシングは引き続き解析を続け、さらなる時計遺伝子の配列取得を目指す。②RNA干渉実験は、引き続きインジェクターを用いて注射により個体に導入する方法で、使用する二本鎖RNA配列、濃度を再検討し試行する。③遺伝子発現解析については、日齢による比較等、引き続き解析を行う。④時計遺伝子の配列からプローブを作製し、in situ ハイブリダイゼーションを用いて時計遺伝子発現細胞の所在を明らかにする。②の試行を優先して行い、①により得られた遺伝子については順次③、④と進めていく。
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