研究課題/領域番号 |
21K06278
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45010:遺伝学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
明正 大純 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (00781808)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | Oryzias latipes / sex-determining gene / gsdf / gain-of-function / whole genome analysis / gene expression / sex-linkage analysis / LTR retrotransposon / Gsdf / Sushi-ichi |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の多くは性決定遺伝子によって雌雄を決めており、多数の性決定遺伝子が同定されている。本研究では、性決定遺伝子が特に頻繁に交代するメダカ属において、3つの性決定遺伝子が共存すると想定される稀有なミナミメダカの長崎県野生個体群を用いる。本個体群にはミナミメダカに共通の性決定遺伝子Dmyに加えて、内在性レトロウイルスの挿入によって誕生した第2のGsdfneoY、それに加えて、GsdfneoYを特異的に抑制する第3の存在が推定されている。これらの同定とその誕生機構の解明によって、遺伝性決定の多様化の大きな要因であると考えられる、新規性決定遺伝子を連鎖的に生み出す新たな分子機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、性決定遺伝子が頻繁に交代するメダカ属において、複数の性決定遺伝子が共存するミナミメダカの長崎県野生個体群を用いて、新たな性決定遺伝子の誕生メカニズムを解明することを目的とし、以下の成果を得た。 ①長崎県個体群の全ゲノムの解析から第2の性決定遺伝子であるGsdfneoYの原因となったレトロトランスポゾンが個体群内で高い転移活性を持つこと、またGsdfneoY mRNAによる機能獲得実験からその機能時期を明らかにした。 ②遺伝子発現と組織学的解析からGsdfneoY を持つ個体を雌にする第3の性決定遺伝子の機能時期、性連鎖解析から第3の性決定遺伝子が存在する複数の遺伝子座を特定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、性決定遺伝子の交代機構の解明にある。長崎県のミナミメダカ個体群をモデルに、性決定遺伝子がどのように誕生したかの一端を明らかにした。特に、GsdfneoY遺伝子の発現が性決定に重要な役割を果たし、内在性レトロウイルスSushi-ichiの転移がこのプロセスを駆動していることを示した。この成果は、性決定の多様性と進化を理解する上で重要な知見を提供する。 社会的意義として、性決定メカニズムの理解が生物多様性の保全や種の存続に寄与できるさらに、魚類の性決定メカニズムの解明は、養殖業における性制御技術の開発にも貢献する可能性がある。
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