研究課題/領域番号 |
21K06285
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
平川 泰久 筑波大学, 生命環境系, 助教 (40647319)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 藻類 / 光合成 / 葉緑体 / 二酸化炭素 / ピレノイド / 収斂進化 / 二酸化炭素濃縮機構 / 液-液相分離 / オルガネラ進化 / 微細藻類 |
研究開始時の研究の概要 |
ピレノイドは炭素固定酵素であるルビスコが集合した構造で、水中に生息する様々な藻類の葉緑体内で観察される(一般的に陸上植物には存在しない)。藻類はルビスコと二酸化炭素をピレノイドに集めることで、効率的に炭素固定を行っている。本研究では、海産の単細胞藻類を用いて、ピレノイドにルビスコが集まるメカニズムや二酸化炭素の濃縮機構を明らかにし、ピレノイドで機能する分子機構とその進化を解明する。
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研究成果の概要 |
我々が作り出す二酸化炭素の約1/3は、藻類の葉緑体にある「ピレノイド」と呼ばれる器官で固定化されている。ピレノイドには二酸化炭素固定酵素であるルビスが豊富に含まれており、ピレノイドはルビスコに濃縮した二酸化炭素を届けるための器官だと考えられている。しかし、ルビスコ以外のピレノイドタンパク質に関する知見は少ない。本研究では、海産のクロララクニオン藻のピレノイドで働く8つの新規タンパク質を明らかにした。そのほとんどは本藻に特異的なタンパク質であり、藻類のもつ二酸化炭素濃縮固定器官で働く分子機構は藻類系統ごとに多様化しており、収斂的に進化してきたことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海で固定化された二酸化炭素の一部は長期的に蓄積される「ブルーカーボン」と呼ばれ、大気中の二酸化炭素の削減に貢献するものとして注目されている。本研究では、海産の微細藻類が効率的に二酸化炭素を固定化するメカニズムの一端を明らかにした。これは、藻類に普遍的に存在するピレノイドの進化の謎に迫るだけでなく、ブルーカーボンの潜在的な可能性の理解に繋がる内容である。
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