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4億年間保持されている脊椎動物のマイクロ染色体における進化的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K06286
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分45020:進化生物学関連
研究機関東京大学

研究代表者

宇野 好宣  東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60609717)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード脊椎動物 / 染色体進化 / マイクロ染色体 / 反復配列 / 両生類 / ツメガエル / 核内高次構造
研究開始時の研究の概要

最近の脊椎動物における比較ゲノム解析によって、マイクロ染色体と呼ばれる微小な染色体を多数含む、爬虫類と鳥類現存種に類似した核型が、実は4.5億年前の脊椎動物の共通祖先から保持されてきたことが強く示唆されている。本研究では、多数のマイクロ染色体を保持する脊椎動物種において、核内の染色体高次構造を明らかにするとともに、新たに単離したマイクロ染色体特異的に増幅する反復配列における詳細な比較解析を行う。そして得られた結果に基づき、4.5億年前から保持されているマイクロ染色体の進化的意義を考察する。

研究実績の概要

爬虫類や鳥類、軟骨魚類は、マイクロ染色体と呼ばれる微小な染色体を多数もっているが、真骨魚類や両生類、哺乳類のほとんどの種はマイクロ染色体をもたない。本研究では、多数のマイクロ染色体を保持する脊椎動物種において、核内の染色体高次構造を明らかにするとともに、新たに単離したマイクロ染色体特異的に増幅する反復配列における詳細な比較解析を行うことで、脊椎動物のマイクロ染色体について重要な進化学的知見を提供することである。
3年目の昨年度では、四肢動物祖先から分岐したのちに独自にマイクロ染色体を消失した両生類のアフリカツメガエルにおいて、データベースにて公開されている全ゲノム情報を用いて、各染色体末端特異的な分布を示す反復配列の同定を試みた。さらに得られた情報を2年目に同定した近縁種のネッタイツメガエルとの比較を行った。その結果、ネッタイツメガエルではほとんどすべての染色体末端に増幅する反復配列が見られたのに対して、アフリカツメガエルではネッタイツメガエルの反復配列と相同性の高い配列は検出されず、それとは配列の異なる反復配列がごく一部の染色体のみに分布していたことが明らかになった。このツメガエル2種間において、大きな染色体構造や遺伝子シンテニーはほとんど起きていないことが知られているが、本研究から染色体末端の反復配列においては近縁種のツメガエル間で独自に変化していることが明らかになった。アフリカツメガエルでは独自に全ゲノム重複が起きているため、染色体末端特異的な分布を示す反復配列が全ゲノム重複を伴うサブゲノムの安定化に関与している可能性も示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の予定どおり実施予定であった、サブテロメア特異的反復配列の同定に着手している。また進化の多様性の考察を充実させるため、計画段階よりも多くの脊椎動物種を解析対象としている。以上のことから、当初の計画以上に進展している。

今後の研究の推進方策

本研究を申請した段階より、数多くの高精度な全ゲノム配列が多くの脊椎動物種で報告されている。さらに想定以上にサブテロメア特異的反復配列は近縁種間でも大きく異なるため、今後より多くの種の全ゲノム情報を用いた解析を行う予定である。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Diversity and Evolution of Highly Repetitive DNA Sequences Constituting Chromosome Site-Specific Heterochromatin in Two Gerbillinae Species2023

    • 著者名/発表者名
      Uno Yoshinobu、Matsubara Kazumi、Inoue Jun、Inazawa Johji、Shinohara Akio、Koshimoto Chihiro、Ichiyanagi Kenji、Matsuda Yoichi
    • 雑誌名

      Cytogenetic and Genome Research

      巻: 163 号: 1-2 ページ: 42-51

    • DOI

      10.1159/000533716

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Molecular cytogenetic characterization of C-band positive heterochromatin of the greater long-tailed hamster (Tscherskia triton, Cricetinae)2023

    • 著者名/発表者名
      Kamimura E, Uno Y, Yamada K, Nishida C, Matsuda Y
    • 雑誌名

      Cytogenetic Genome Research

      巻: -

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Inference of evolution of vertebrate genomes and chromosomes from genomic and cytogenetic analyses using amphibians.2021

    • 著者名/発表者名
      Yoshinobu Uno
    • 雑誌名

      Chromosome Science

      巻: 24 ページ: 3-12

    • NAID

      130008084394

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] サブテロメア反復配列から迫るゲノム・染色体進化2023

    • 著者名/発表者名
      宇野好宣
    • 学会等名
      日本進化学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ゲノム解析における細胞遺伝学的研究のあり方 -脊椎動物のゲノム進化研究の観点から-2021

    • 著者名/発表者名
      宇野 好宣
    • 学会等名
      日本進化学会 第23回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 全ゲノム解読における染色体解析の位置づけ:両生類や軟骨魚類から脊椎動物のゲノム・染色体進化をさぐる2021

    • 著者名/発表者名
      宇野 好宣
    • 学会等名
      日本遺伝学会 第93回大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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