研究課題/領域番号 |
21K06288
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岡田 和久 大阪大学, 微生物病研究所, 特任准教授(常勤) (40420434)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | コレラ菌 / 変異 / 環境適応 / 鞭毛運動 / VNC / 変異バイアス / 病原性 / 進化 / 分子進化 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌の進化において非ランダム突然変異及び適応的突然変異の関与はよく理解されていない。申請者は特殊環境下で培養したコレラ菌において、ゲノムに非ランダム的な変異が生じている現象を見出した。 本研究の目的は生命進化は偶然に生じる突然変異に委ねられているのではなく、特殊環境のストレス下に置かれた生物は一定方向の変異バイアスを発生させ、ある種の適応的突然変異へと導き、生存・進化に影響を与えるという可能性を検証・追究することにある。 貧栄養下の長期培養時にみとめられる変異バイアスによる運動性消失と培養能の変化及び変異バイアスとビルレンス変調について解析を行う。
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研究成果の概要 |
コレラ菌は栄養が制限された水中環境でも生存することが知られており、そのような飢餓ストレス下での環境適応を理解することは重要である。本研究は、コレラ菌における栄養制限下でのゲノムDNAおよび表現型の変化を経時的に追跡し、解析した。その結果、鞭毛関連遺伝子に選択的に突然変異が発生することと、鞭毛運動の制御がコレラ菌の長期増殖能の維持に関与することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌の進化における非ランダム突然変異と適応的突然変異の役割についての理解は十分ではない。本研究は、コレラ菌を貧栄養下で培養すると、鞭毛運動に関わる遺伝子に選択的に変異が発生し、それに伴う運動性の欠損が、コレラ菌の増殖能の維持に関連することを示した。世界に拡散し流行を起こすコレラ菌の水中環境における生存戦略を理解することは、その拡散を防ぐ上で重要である。本研究の成果は感染症の進化や耐性の発生メカニズムに関する新たな洞察を提供し、新しい予防策や治療法の開発に役立つ可能性がある。
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