研究課題/領域番号 |
21K06291
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45020:進化生物学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
柿岡 諒 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, ポスドク研究員 (40712055)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 進化 / 種分化 / 適応 / 交雑 / 遺伝子流動 / ゲノム / 魚類 |
研究開始時の研究の概要 |
インドネシアのスラウェシ島にある古代湖(ポソ湖)で同所的に種分化したメダカ科魚類3種を対象に,3種間の資源分割と同類交配に関わる形質がどのような遺伝的基盤を持っているのかを明らかにする.また,ポソ湖の3種に加え,過去にポソ湖の集団への遺伝子流動があったことが示唆されている近隣の湖に生息する別のメダカ属魚類の計4種のゲノム配列を取得し,系外から浸透してきたゲノム領域の網羅的探索を行う.
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研究実績の概要 |
動物が同所的に種分化するには資源分割と同類交配の成立が重要であると考えられている.しかし,それらがどのような遺伝的基盤にもとづいて進化したのか実証した研究はほとんどない.また,同所的種分化は系外からの遺伝子浸透があれば促進されうるという可能性は指摘されているものの,実証例はほとんどない. インドネシアのポソ湖で同所的に種分化したと考えられるメダカ科魚類を対象に,資源分割や同類交配に関わる形質がどのような遺伝的基盤を持っているのかを明らかにするために,量的遺伝子座位(QTL)解析を行った.本年度は,QTL解析に供するための飼育家系を育成し,試料の入手を行い,形質測定と,QTL解析に関する分子実験およびゲノムワイドSNPジェノタイピングを進め,QTL解析を開始した.その結果,餌資源利用や繁殖シグナルに関連する形質の種間差に関わるQTLを特定した. ポソ湖のメダカ科魚類野外集団における遺伝子浸透およびその同所的種分化における役割を明らかにするために,野外集団に関する集団ゲノム解析を進めた.本年度は,全ゲノムリシーケンシングデータを複数種から得るため,分子実験および全ゲノムシーケンシングを行った.得られたシーケンスデータを利用して解析を行い,現在種間で交雑が見られるか,種間での遺伝子流動の阻害が示唆される領域があるのか,逆に遺伝子流動が示唆される領域があるのかなどについて調べた.また,性決定に関連するゲノム領域をゲノムワイド関連解析で特定した.これらの結果について学会発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り,QTL解析に供するための遺伝子型決定や形質値の測定およびQTL解析を進められた.野生集団において全ゲノム配列の解析を進め,集団ゲノム解析や関連解析を進めた.
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今後の研究の推進方策 |
ポソ湖内のメダカ属魚類における資源分割や同類交配に関わる形質の遺伝的基盤をQTL解析を進め,資源分割と同類交配の遺伝的基盤を調べる. ポソ湖内のメダカ属魚類が種分化する前に,他の集団からの遺伝子浸透があったことが先行研究により示されている.しかし,ゲノムのどの領域が浸透してきたか,そして浸透遺伝子が同所的種分化にどのような役割を果たしたかは明らかになっていない.そこで,集団ゲノム解析を進めて浸透したゲノム領域の特定や淘汰の痕跡を検出するなどして,それらが種分化に果たした役割を検証する.
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