研究課題/領域番号 |
21K06307
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
田金 秀一郎 鹿児島大学, 総合研究博物館, 准教授 (10616080)
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研究分担者 |
鈴木 英治 鹿児島大学, 国際島嶼教育研究センター, 特任教授 (10128431)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 植物標本 / データベース / 鹿児島大学総合研究博物館 / タイプ標本 / 博物館 / 鹿児島県 |
研究開始時の研究の概要 |
鹿児島大学総合研究博物館植物標本庫は、1880年代から現代までの約18万点の植物標本を収蔵している。その中には日本でも最も植物の多様性の高く、固有種の多い地域である南西諸島、特に世界自然遺産地(屋久島)や推薦地(奄美、徳之島、沖縄島北部、西表島)の植物標本が推定4万点以上含まれる。また鹿児島県立博物館には約4万点の植物標本が収蔵されている。これらの植物標本についてデータベース化、および標本の再同定とタイプ標本の整理を進め、オープンアクセスなデータベースとして公開することで、標本資料と博物館の価値を高め、県内の植物多様性の評価と保全、および外来種問題に関して植物学の基礎研究素材を広く提供する。
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研究実績の概要 |
昨年度に続き、2022年度は、①15,935点の植物標本をデータベースに登録し、処理を終えた3,042点の標本のデジタル画像をインターネット上で公開した。年間を通して1,978件の閲覧利用があった。また、全国の自然史系博物館の標本情報を集約するサイエンスミュージアムネット(S-Net)へ7,000件の標本情報の提供を行った。②国内では鹿児島県の固有種として大隅半島肝属山地からキモツキクサアジサイを新種記載し、トカラ列島から記録されているハクウンシダは実は誤認であり、実体はシシガシラであることを明らかにした。県内各地で野外調査を実施し、678点の植物標本および生態写真、遺伝子解析用試料を収集した。国外ではKAGに収蔵されている標本をタイプとして、ベトナムとラオスからウラボシ科1種、サルトリイバラ科1種、ショウガ科1種、トウダイグサ科1種、アカネ科2種の新種記載を行った。③KAG標本を基に自身が記載した分類群も含め、新たに28点のタイプ標本(うち22点はパラタイプ)を確認し、標本情報の公開を進めた。KAG所蔵のタイプ標本の公開を目的として、JSTOR Global Plantsとの手続きを進めた。④野外調査、文献調査、標本調査に基づく鹿児島県産維管束植物の情報基盤整備を進めた結果、昨年度から新たに87分類群の植物を確認され、鹿児島の植物相に追加した(うち25分類群は外来植物)。これにより、現時点で鹿児島に生育する維管束植物は3994分類群(3507種、28亜種、326変種、133品種)となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鹿児島県総合研究博物館が収蔵する標本のデータベースへの登録とその公開を着実に進めることができている。県内の植物に関する情報についても、文献、野外、標本調査を通じて広く集積され、得られた知見については学術論文やウェブサイトなどを通じて市民に広く提供している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も引き続き、館内にある未整理標本のデータベース化とその公開を推進する。未記載の分類群についても花や果実、胞子のある適切な時期を狙って現地調査を行い、標本資料の蓄積を行い、研究を遂行していく。これまでに確認しているKAGが所蔵する植物のタイプ標本については、標本画像やラベル情報の整理を進め、JSTOR Global Plantsを通じて順次公開していく。
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