研究課題/領域番号 |
21K06330
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀧本 岳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90453852)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 送粉共生ネットワーク / 生態-進化フィードバック / 対捕食者防衛 / 行動改変 / 繁殖システム / 送粉者捕食 / 送粉ネットワーク / 雑種形成 / 超越分離 / 共生 / 非消費的効果 / 数理モデル / 分化型自然選択 / 生態的種分化 / 局所適応 / 連合学習 |
研究開始時の研究の概要 |
植物と送粉者の相互作用が作る送粉ネットワークは生物多様性の宝庫であると同時に、農作物生産に必須の送粉サービスを供給する。本研究では、植物の花形質の進化と送粉者の個体群動態の間に起こる生態-進化フィードバックに焦点を当て、送粉ネットワークの形成機構を理論的に解明する。本研究で構築する理論から、人為攪乱への送粉ネットワークの進化的応答が予測でき、その保全と管理のための長期的視座が得られる。
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研究成果の概要 |
植物と送粉者の相互作用が作る送粉共生ネットワークは生物多様性の宝庫であると同時に、農作物生産に必須の送粉サービスを供給する。本研究では、数理モデルとコンピュータシミュレーションにより、送粉共生ネットワークを作る進化生態学的メカニズムの解明に向けた研究を行った。送粉共生ネットワークの多様化機構の1つとして、送粉者の連合学習が引き起こす植物の生態的種分化の新しいメカニズムを発見した。また、繁殖システムの異なる近縁種間における分布域拡大メカニズムの違いを明らかにした。加えて、送粉者捕食による送粉共生ネットワークの安定化機構を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
色とりどりの花が咲き乱れるお花畑とそこで饗宴するハチやチョウなどの訪花者が作る送粉共生ネットワークは生物多様性の宝庫である。本研究の成果の1つは、送粉共生ネットワークの進化の新しいメカニズムの解明である。この成果より、報酬の多い花を弁別する送粉者の連合学習が送粉共生ネットワークの多様性の進化に重要であることが分かった。また、送粉共生に繁殖を依存する他殖性植物とそうではない自殖性植物では分布拡大の制限要因が異なる点を示した。加えて、送粉者捕食が送粉共生ネットワークの安定化に果たす役割も解明した。これらの成果は、人間活動に多大な恩恵をもたらす送粉共生ネットワークの保全や管理に役立つ可能性がある。
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