研究課題/領域番号 |
21K06339
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
中村 隆俊 東京農業大学, 生物産業学部, 教授 (80408658)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 湿原酸性化 / ミズゴケの陽イオン交換 / 湿原の酸性化 / 陽イオン交換 / 湿原 / 酸性化 / ミズゴケ / pH |
研究開始時の研究の概要 |
北海道別寒辺牛湿原にいくつかの調査定点を設定し、各定点にて土壌pHを調べるとともに、生育する様々なミズゴケ種を採取し陽イオン交換能力(ミズゴケ周囲のミネラル陽イオンとミズゴケ体内の水素イオンとの交換能力)を調べる。それらのデータをもとに、ミズゴケ各種の陽イオン交換能力の違いと各種が生育する土壌pH環境の関連性を解析し、ミズゴケによる湿原酸性化のメカニズムについて検証する。
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研究成果の概要 |
湿原における強酸性環境の存在は、生態系機能や植生分布機構の維持において、極めて重要な位置づけにある。しかし、湿原の強酸性化メカニズムについては、フィールド研究が少なく検証が進んでいない。本研究ではミズゴケの陽イオン交換を通じた酸性化に着目し、湿原に生育するミズゴケ7種の陽イオン交換能と生育地のpH環境について調べた。陽イオン交換能の高いミズゴケ類が生育する立地ほど土壌水のpHが大きく低下したことから、湿原の強酸性環境がミズゴケによって生じている可能性が強く示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでフィールドデータに基づく定量的な検証がほとんど無いまま議論が続いてきたミズゴケ陽イオン交換と湿原酸性化の関係について、本研究ではフィールドでの定量的データに基づくより確実な知見を得ることができた。本研究で得られた成果は、pH環境によって規定される湿原特有の植生分布構造や、強酸性の泥炭土壌として維持される炭素シンク機能において、それらを支える基盤メカニズムの理解に今後大きく貢献するものと思われる。
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