研究課題/領域番号 |
21K06347
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
佐藤 慎一 静岡大学, 理学部, 教授 (70332525)
|
研究分担者 |
千葉 友樹 千葉県立中央博物館, その他部局等, 研究員(移行) (40847935)
塚越 哲 静岡大学, 理学部, 教授 (90212050)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 貝類 / 貝形虫類 / コア試料 / 環境激変イベント / 化石 / 堆積物コア |
研究開始時の研究の概要 |
貝類と貝形虫類は、底生動物の中でも特に淡水~海水での生息範囲が広く、ともに硬組織(殻)を持ち化石記録が豊富なため、時空間での定量データの収集が容易である。本研究は、現代の大規模干拓や外来種侵入などの人為的撹乱と、地震や津波などの自然災害を対象に、急激な環境変動イベントに伴う貝類群集と貝形虫類群集の種構成変化を長期定点観測で捉え、さらに遺骸集団や化石集団を併用して現在と過去の現象を比較する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、現代における大規模干拓や外来種侵入などの人為的撹乱と地震や津波などの自然災害を対象に、環境激変イベントに伴う貝類群集と貝形虫類群集の種構成変化を長期定点観測で捉え、さらに遺骸集団や化石集団を併用して現在と過去の現象を比較することを目的とする。 本年度は、2023年6月に有明海奥部50定点および干拓調整池内16定点の採泥調査を継続的に実施して、潮受け堤防閉め切り後27年目の水質・底質・底生動物群集の現状を明らかにした。また、過去26年分の同一手法における分析結果と比較して、有明海奥部海域の環境と底生動物群集の経年変化を総括した。これらの研究成果は、日本ベントス学会主催の公開シンポジウムなどで発表を行った。 浜名湖では沿岸6箇所において2023年4月から2024年3月まで月1回の底生動物定点観測を継続するとともに、2023年6月に庄内湖内1地点において海底堆積物のコア試料を1回ずつ採取して、試料中に含まれる貝類化石と貝形虫類化石の拾い出しを行ない、その種構成から堆積物表層から最大30 cmまでは1970年代以降の堆積物であることを明らかにした。 一方、松島湾でも2023年7月に東名海岸16定点における底生動物の定量調査を実施し、東日本大震災前10年間及び震災後13年目の底生動物の分布様式に見られる経年変化を明らかにして、現在は研究論文を投稿中である。さらに、韓国セマングム干拓では、2019年以来4年ぶりに干拓調整池内12定点における採泥調査を2023年8月に実施して、防潮堤完成後17年目の底生動物群集の種構成と分布の変状把握を行った。 この他、駿河湾の狩野川放水路河口でも採泥調査やコア試料の採取を2023年に4回実施し、その調査結果を2023年9月に日本プランクトン学会・日本ベントス学会合同大会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、これまでコロナ禍のため実施できなかった韓国セマングム干拓での採泥調査を4年ぶりに実施することができ、有明海・松島湾・浜名湖・駿河湾の調査とともに予定していた全ての調査計画を実施することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度の継続調査について協力者との協議を進めているとともに、学会発表と論文発表を計画している。
|