研究課題/領域番号 |
21K06355
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
吉田 勝彦 国立研究開発法人国立環境研究所, 生物多様性領域, 主幹研究員 (70332244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 大量絶滅 / 生態系モデル / コンピュータシミュレーション / クレード / 多様性変動パターン / 絶滅の選択性 / シミュレーション / 進化 / 飢餓状態への反応 / 生態系の時間変化 / 物質循環 / 再現能力 / 生態系進化モデル / 一次生産量 / 絶滅生物の選択性 / 飢餓状態への生物の反応 |
研究開始時の研究の概要 |
白亜紀末に巨大隕石が地球に衝突し、恐竜を始めとする多くの生物が絶滅したが、絶滅生物の選択性(絶滅した生物と生き残った生物の違い)など、生態学的なプロセスが関与していると思われる問題が未解明のままである。そこで本研究では、新しい生態系進化モデルを開発して当時の生態系を仮想的に再現し、隕石衝突後の一次生産量の停止をイメージしたコンピュータシミュレーションを行って、絶滅生物の選択性が生態学的プロセスでどこまで説明できるのかを解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
大量絶滅時に見られる一次生産量の減少が生態系に与える影響を解析するため、生態系進化の途中で一次生産量を急減させるコンピュータシミュレーションを行った。その結果、約60%の動物種と動物クレードが絶滅した。また、デトリタス食を行わない種、体サイズの大きい種が絶滅しやすいという先行研究で指摘されている現象が再現された。クレード内の多様性変動パターンと絶滅率の関係について解析した結果、多様性変化の傾向(増加か減少か)は絶滅率とは有意な相関がないことが明らかとなった。クレード内の種多様性変動の重心の位置に注目して解析した結果、絶滅したクレードは重心がわずかに、しかし有意に古い時代に位置していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、数十年にわたって未解決であった多様性変動パターンと大量絶滅時の絶滅率との関係について明確な結論が得られたことは学術的に大きな意義がある。大量絶滅時に絶滅する生物の選択性についての研究を進める時に注目すべき点を整理することができたことは今後この分野の発展に大きく寄与すると期待される。また、19世紀後半以降多くの種が絶滅し、現在も非常に多くの種が絶滅の危機に瀕している。そのため、現在を史上6回目の大量絶滅に位置づける意見もある。本研究によって大量絶滅の時に絶滅しやすい生物の性質を明らかにしたことは、現在の生物・生態系の保全に大きく貢献するという社会的な意義がある。
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