研究課題/領域番号 |
21K06364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 岡山県立大学 |
研究代表者 |
大下 和茂 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (10615826)
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研究分担者 |
山口 恭平 九州共立大学, スポーツ学部, 講師 (10638349)
疋田 晃久 九州共立大学, スポーツ学部, 准教授 (70780104)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ライトタッチ効果 / 歩行 / 歩幅 / インソール / 触覚 / 運動指導 / 動作認識 / 衣類 / 筋活動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,衣類の着用などによる触覚付加により身体部位の認識を向上させることで,日常生活の動作改善,それを通した身体負担軽減に繋がる方策の検討を目的とする.一定の姿勢を保持する際,触覚情報付加により姿勢制御が向上する.これは触覚付加により身体部位の相対的な位置関係の変化などが把握しやすくなるためと考えられている.現在までに,身にまとった布による触覚付加により,立位姿勢制御や歩行速度が改善することを明らかにした.本研究は適切な動作が理解し難く,それが身体負担となる生活動作を抽出し,特定の衣類などによる触覚付加を活用することで,自身の持つ感覚(触覚)を活かした動作改善,そして障害予防へと繋げる.
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研究実績の概要 |
本研究は,触覚刺激を利用して身体部位の認識を向上させることで,日常生活の動作改善,それを通した身体負担軽減に繋がる方策を検討している.特に,適切な動作が理解し難く,それが身体負担となる生活動作を抽出し,それらの動作で,触覚を活かした動作改善や障害予防へと繋げる. 本年度は各種動作自体の理解について調査を進め,触覚を活かした動作改善の方法について検討を加えた.基本的な生活動作である歩行について,昨年度の検討をさらに進めた結果,歩幅を延長させながら歩行速度を高める際に,多くの者は遊脚をより前方へ着地させる方法を選択していることを明らかにした.これに対し,立脚終期の蹴出しを意識することで,歩幅や歩行速度の増加に繋がることを示した.これまでに,歩幅の維持・延長を伴う速歩の健康に対する有用性が示されており,単なる速歩を促すだけでなく,歩幅の延長を意識しながら速歩を促すことの重要性を示している. そこで,インソールの母指球から爪先にかけて温熱や突起を用いた触覚ガイドを設け,歩幅の延長を促すことの効果を検討した結果,単に蹴出しを意識するより,歩幅がより延長することを示した.これらの結果は,健康運動のための歩行における触覚ガイドを用いたインソールが有効であることを示唆している. 一方,昨年度実施した持ち上げ動作に関する認識調査をスクワットなど他の動作でも検討を進めたが,持ち上げ動作と同様に,同じ動作や姿勢であっても,それを表現する言葉は多様であり,運動指導の専門家であっても,専門家毎で表現方法が異なることを示した. 次年度は,これらの成果を発展させ,歩行については,触覚を用いた歩行改善の学習効果について検討を加える.その他の動作については,腰部への負担が大きいとされる持ち上げ動作に焦点を絞り,触覚を用いた身体負担軽減に繋がる方策について検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度まで,大学への入構禁止期間の設定等により,進捗がやや遅れていたが,本年度は,ほぼ計画通り研究を進めることができ,おおむね順調に進展していると言える.現在,歩行動作については,触覚を利用した動作改善の学習効果について研究が着手できており,次年度で完了できる見込みである.その他の動作についても,認識調査が完了し,現在,触覚を利用した動作改善についての研究準備を進めている.
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は触覚を利用した動作改善・身体負担に及ぼす影響について検討する.歩行については,昨年度,研究に着手できており,一定の成果をあげている.本年度は,触覚を用いた歩行改善の学習効果についても検討を加える予定である.その他の動作については,昨年度の調査で,どのような日常生活動作であっても対象者により,それを表現する言語が異なることを示した.そのため,腰部への負担が大きいとされる持ち上げ動作に焦点を絞り,触覚を用いた身体負担軽減に繋がる方策について検討を加える.
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