研究課題/領域番号 |
21K06367
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分45060:応用人類学関連
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研究機関 | 福井工業高等専門学校 |
研究代表者 |
川村 敏之 福井工業高等専門学校, 物質工学科, 准教授 (80413772)
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研究分担者 |
松井 一洋 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 准教授 (10805055)
東 章弘 福井工業高等専門学校, 一般科目(自然系), 教授 (50546257)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ACTN3遺伝子多型 / 体力 / 速筋線維 / エピジェネティクス / ACTN3 / 体力テスト / Muscle strength / 脚伸展 / Stretching / 筋線維 / スポーツ / Epigenetics / Physical fitness test / Mechanical efficiency / αアクチニン3 |
研究開始時の研究の概要 |
従前の遺伝子診断は遺伝子型のみでそのタイプを区分するため,遺伝子型と筋力発揮パフォーマンスとが必ずしも合致しないケースが見受けられる.しかしながら,エピジェネティクスを診断に取り入れれば,筋力発揮のパフォーマンスを精度よく予測する診断が実現できると考えられる.本研究では,エピジェネティクスを加味した遺伝子解析の結果とフィールドテストやラボテストにおける筋力発揮パフォーマンスとの関連を明らかにすることを目的とし,スポーツトレーニングや介護予防の観点から個人差を意識した筋力トレーニングに必要とされる遺伝子型情報の新たな提供法の確立を目指す.
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研究成果の概要 |
アスリートではACTN3遺伝子多型とスプリント/パワー系運動能力との関連が指摘されるが、我々は一般人のRアレル(RR型,RX型)とXX型との間に静的筋力には差異を認めず(Azumaら,2021)、体力テストにおけるスプリント/パワー系種目においてRアレル群が優位であることを示した(Matsuiら,2023)。ただし、その効果量は小さく、エピジェネティックな効果との関連が示唆された(Kawamuraら,2024)。一方,PNFストレッチングによって生じる筋腱複合体のメカニカルな変化はRR型の柔軟性に対して不利益を与えないことも明らかにされた(Azumaら,2023;Azumaら,2024).
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
速筋線維に特異的に発現するACTN3遺伝子多型はアスリートにおけるスプリント/パワー系運動能力との関連が数多く報告されてきたが、一般人の多型と運動能力との関連に関する報告は希少である。我が国におけるコホート研究によれば一般人のRR型における柔軟性が低いことが指摘されるが、一般人の多型と体力全般との関連については海外報告にとどまる。我々の研究によって国内一般人の体力テストにおけるスプリント/パワー系種目と多型との関連が認められたほか、エピジェネティックな効果によりACTN3の性質の発現が抑制される可能性が示唆されたことから、余暇活動での運動選択や健康管理に活用し得る遺伝子解析の意義が認められた。
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