研究課題/領域番号 |
21K06380
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
田村 英紀 星薬科大学, 先端生命科学研究所, 准教授 (80437516)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ストレス回復 / ソマトスタチン / 不安 / 青斑核 / 中脳水道灰白質 / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを含め動物は、健常であれば、軽度の気分の落胆や高揚は自己回復できるが、ストレス過多な状態では、変化した気分は回復せず、不安障害発症の一因となる。多数の研究は、ストレス誘発性不安機構を解明してきたが、ストレス回復の仕組みについてはほとんど明らかではない。本研究は、これまで注目されてこなかった脳内ストレス自己回復機構を解明し、この機能の制御が、ストレス性不安障害治療に有効である根拠を示す。また、ストレス自己回復関連ソマトスタチンシグナルを解明し、「脳本来の恒常性を利用した新しい中枢性疾患治療法」の創出を目指す。
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研究成果の概要 |
ヒトを含め動物は、健常であれば、軽度の気分の落胆や高揚は自己回復できるが、ストレス状態では、変化した気分は回復せず、不安障害発症の一因となる。多数の研究は、ストレス誘発性不安機構を解明してきたが、ストレス回復の仕組みについてはほとんど明らかではない。今回、中脳水道灰白質に局在する抑制性ソマトスタチン (Sst) 細胞が、青斑核ノルアドレナリン作動性 (LC-NA) 神経細胞にシナプス結合し、その神経活動を強力に抑制することを発見した。また、LC-NA 細胞特異的に Sst 受容体サブタイプ 2 (Sstr2) を発現抑制したマウスでは、拘束ストレス負荷後の不安行動が増大することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、新規に同定した中脳水道灰白質-青斑核経路を起点としたストレス回復機構の一端を解明するものである。この機構のキーとなる候補分子が Sst2 であることを見出している点で独創的で、具体的な分子を起点とした研究展開が可能であり、他の研究とは一線を画す。がん治療が、「免疫」という我々が本来備える治癒力を活用することで革命的転換を迎えたように、本研究成果はストレス性不安障害に対して、「ストレス回復機構シグナル」という生得的な回復力を活用するという全く新しい視点での治療戦略を創造する可能性を秘めている。
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