研究課題/領域番号 |
21K06388
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46010:神経科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山崎 大介 東京大学, 定量生命科学研究所, 講師 (80588377)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ショウジョウバエ / グルタミン酸 / ドーパミン / GABA / 記憶学習 / コトランスミッター / 忘却 |
研究開始時の研究の概要 |
ドーパミンは記憶の形成に不可欠な神経伝達物質として知られていますが、記憶形成後にドーパミンニューロンが活性化していると、記憶が不安定化されるケースも報告されています。本研究ではドーパミンニューロンがドーパミンとは別の神経伝達物質を放出する可能性に着目し、それらが記憶の不安定化に寄与するかどうかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
研究計画に沿って、今年度はショウジョウバエに外部刺激を与えたときの、キノコ体周辺回路におけるグルタミン酸とGABAのin vivoイメージング解析を中心に実施した。GABAに関しては刺激に対する応答は得られなかったが、これは本当に刺激に依存したGABAの放出が見られないということなのか、センサーの検出感度不足によるものなのか、薬理学的解析や極端な条件で検出できるか等の実験によって検証したい。一方で、グルタミン酸の放出は匂い刺激によって検出することができたが、学習前後の比較をするには検出感度が不十分であり、最新のセンサー(iGluFnSR3)を導入することとした。また、グルタミン酸がどの細胞から放出されているかを変異体解析などによって試みたが、発生的な要因によりグルタミン酸放出の変異とセンサーの共存ができないことがわかった。これを回避するため、今後は発生後のみに変異導入した個体で測定が可能かどうかを模索していく。ドーパミン放出との相関について探るため、緑色グルタミン酸センサー(iGluSnFR)、赤色ドーパミンセンサー(rDA1m)を用いて2色での測定を試みたが、赤色ドーパミンセンサーの検出感度が低く、現状では実現は難しいことがわかった。これを解決するため、新型の赤色ドーパミンセンサーRdLight1のトランスジェニックフライを作製し、現在その性能評価を行なっている。行動実験に関しては既に論文を投稿し、現在査読中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ドーパミンニューロンからのグルタミン酸、GABAの放出が記憶の安定化を制御するという結果は、行動実験に関しては充分に取得することができ、論文も査読段階にある。一方でイメージング解析に関しては問題点が多く、想定よりも進んでいない。ただし、一つ一つの問題点について解決策も用意できているため、着実にプロジェクトを進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
行動実験の論文に関しては査読で言及された追加実験も終了し、論文受理に向けて原稿をブラッシュアップしていく。イメージング解析については引き続き問題点を解決しながら最終的には学習前後のグルタミン酸、GABAの放出変化と、ドーパミン放出との相関関係について明らかにしていく。
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