研究課題/領域番号 |
21K06405
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
丸岡 久人 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60443032)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 大脳発生 / 第5層 / 微小カラム |
研究開始時の研究の概要 |
近年申請者らは大脳皮質第5層がニューロンサブタイプ特異的な機能的微小カラムとその格子構造に精密に構造化されていることを見出した(Maruoka et al., Science, 2017)。微小カラムはヒト脳でも観察される普遍的な機能モジュールであるがその発生機構は未だ不明である。本研究では微小カラムの発生機構を明らかにするとともに大脳皮質の精密な発生過程における放射状グリア細胞の新たな機能的意義も明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
近年、我々はマウス大脳皮質第5層の主要なニューロンがサブタイプ特異的にカラム状のクラスター(以下、微小カラム)を形成していることを見出したが、その発生機構を不明である。本研究課題では微小カラムの発生機構を明らかにするため、透明化された胎生17日齢終脳の全脳サンプルから、皮質下投射ニューロンと推定されるCTIP2(+)ニューロンの三次元座標を解析し、胎生17日齢ですでに細胞タイプ特異的微小カラムが存在することを明らかにした。また放射状グリア細胞を蛍光標識することで特定の放射状繊維近傍にCTIP2(+)ニューロンが局在していることも明らかにした。現在、これらの結果をまとめた論文を投稿準備中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
意思決定や言語など高次な脳機能を司る大脳皮質がどのような原理で神経回路を構成しているかは未だ不明である。大脳皮質は脳表に垂直な方向に層構造を有し、機能的に入力層、中間層、出力層に大別される。我々はこれまでに出力層が小数個の神経細胞で構成される機能単位回路の繰り返しで構成されていることを見出した。本研究課題では、出生前からその機能単位回路が細胞タイプ特異的に既に形成されていることを見出し、大脳皮質回路の形成機構の一端を明らかにした。自閉症などの神経発達疾患ではこの機能単位回路の構造異常も指摘されているため、今後、自閉症の精密診断法確立へ貢献することが期待できる。
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