研究課題/領域番号 |
21K06417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46020:神経形態学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
高尾 昌樹 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 臨床検査部, 部長 (50245487)
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研究分担者 |
美原 盤 公益財団法人脳血管研究所, その他部局等, 研究員(移行) (30190721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 超百寿 / supercenetearian / brain bank / アルツハイマー病 / 加齢 / 超百寿者 / 超高齢者 / 神経病理 |
研究開始時の研究の概要 |
脳病理から見た、真の健康長寿を解明することを目指す。日本の百寿者人口は約50年前の約400倍、8万人を超えた。過去に、我々が検討した百寿者の脳(平均101歳)は、様々な加齢変化を高頻度に認め、疾患を抱えながら百歳を超えることも珍しくないと言える。一方、110歳以上(超百寿者)は極めて少ない。我々が7年間で準備をした110歳以上のブレインバンク登録症例で、加齢関連の脳病理変化を多面的に評価し、超百寿者では加齢変化が抑制されているという仮説を検証する。加齢と関連する異常蛋白の蓄積を多面的に多数例で検討し、真の健康長寿の脳の変化を明らかにできると考えられる。
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研究実績の概要 |
2022年度まで18例の超百寿者の病理解剖例を検討してきたが、あらたに3例の症例を追加することができ検討を継続した。病理学的には、アミロイドβ、タウ蛋白、リン酸化アルファシヌクレイン、TDP-43、脳血管疾患といった加齢によって出現する病変を検出するための病理標本の準備と評価を行ってきた。3例中2例の神経病理学的解析が終わり、1例はアミロイドβの拡がりは中等度以上、1例は軽度、どちらも神経原線維変化の拡がりは軽かった。したがって、アルツハイマー病病理変化としては軽度であった。1例では、TDP-43陽性のLATE病理所見を呈した。ARTAGは2例ともに認めた。αシヌクレインの沈着は認めなかった。病理学的には従来の症例と似た傾向ではあった。本年度の最終時点において、1例で詳細な病理学的評価を終了できなかったことから、予定より遅れていると判断した。同時に、最終年度にむけて論文のまとめにはいっているが、追加症例もあったことから論文の完成に至っていないことも上記判断とした。一方、110歳以上という極めてユニークかつ海外にはなく日本でないと達成できない貴重な脳試料のリソースを21例にわたって構築できたことは、結果的には特筆に値すると考える。本試料を用いた共同研究依頼が国内外からきており順次開始したところである。このようなユニークのリソースは、健康長寿の科学的な解明へ貢献できるものと考える。研究期間を1年間延長させていただき21例の病理所見をすべてまとめる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例の追加もあったこともあるが、病理解剖自体の増加もあって標本作成に時間を費やしていることもあげられる。論文執筆が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度まで研究期間を延長させていただき、追加症例も含めた論文のまとめを行うと同時に、結果的には構築することのできた超百寿者の脳試料(ブレインバンク)を基礎研究者とともに有効に活用して、真の健康長寿解明を目指す。
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