研究課題/領域番号 |
21K06421
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲生 大輔 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任講師(常勤) (40721981)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | オキシトシン / 蛍光イメージング / 脳 / 神経伝達物質 / 蛍光センサー / 脳内情報処理 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国において100万人以上もの人々が、うつ病などの幸せの喪失による精神疾患により苦しんでおり、社会問題となっている。しかしながら、根本的な治療法の開発は未だ達成できていない。その大きな原因の一つとして、”幸せ”という情報が 脳内のどこで・どのように創り出されているのか? という本分野における核心と言える問題に踏み込めていないという点が挙げられる。申請者は、この問題を解決するために脳内のオキシトシン動態を高感度に測定できる"オキシトシンイメージング法"を世界に先駆けて開発することに成功した。この最先端手法を用いて、脳内で"幸せ"という情報がどのように創り出されているかに迫りたい。
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研究成果の概要 |
オキシトシンは、幸せホルモンとも呼ばれる脳内物質であり、私たちの豊かな感情や心身の健康に重要な役割を果たしている。しかしながら、生きた動物の脳内において、オキシトシンを感度よく捉えることは既存手法では困難であり、オキシトシンが脳内でどのように働いているかは、謎につつまれていた。今回、我々は、オキシトシンを高感度に検出可能な蛍光センサーを開発することにより生きたマウスの脳内からオキシトシン動態を高感度に計測することを達成した。刺激や行動パターンの種類に依存して脳内オキシトシン濃度は様々な時定数で変動しているなど、既存の計測法では見えてこなかったような新たな知見が明らかになってきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回開発した超高感度蛍光オキシトシンセンサーにより、生きた動物の脳内からオキシトシン濃度変化をリアルタイムで計測することを実現できるようになった。本研究では、限られた実験条件下で脳内オキシトシン動態計測を実施したが、オキシトシンと関連が示唆されている生理機能や病態はまだたくさん残されており、今後幅広い研究への応用が期待される。特にオキシトシンは、自閉スペクトラム症や統合失調症といった難治性疾患を治療するための鍵として注目されており、本ツールの活用により病因解明や治療薬開発が大きく前進することが期待される。
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