研究課題/領域番号 |
21K06430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 生理学研究所 |
研究代表者 |
纐纈 大輔 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 特任研究員 (20437289)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 大脳基底核 / 運動制御 / 運動調節 |
研究開始時の研究の概要 |
大脳基底核は運動関連皮質と強い神経連絡をもっており、運動制御に大きな役割を持つことが分かっている。皮質からの運動情報は大脳基底核内ではハイパー直接路、直接路、間接路”の3つの経路に分かれて、最終的に淡蒼球内節に到達するが、それぞれの経路が運動制御においてどのような役割を担っているのか未だによく分かっていない。そこで本研究では、サルで可能となった経路選択的にニューロンの神経伝達を阻害できる技術を用いて、大脳基底核内の各経路を選択的に遮断することで、動物に現れる運動障害や神経生理学的な変化を調べ、大脳基底核が担う運動制御機構の詳細を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
大脳基底核内の1つの経路である“ハイパー直接路”が運動調節に果たす機能を明らかにした。まず大脳基底核の細胞活動記録法の確立を行った。GPiに記録用電極を挿入し、運動皮質への単発の電気刺激に対する応答を記録した。皮質刺激に対してGPiは興奮-抑制-興奮反応の三相性の反応を示した。そして大脳皮質から視床下核へ投射する神経経路のみを選択的に破壊し、大脳基底核の出力部位であるGPiで細胞応答を記録した。運動皮質刺激に対する応答の内、早い興奮反応だけが消失しており、運動皮質から視床下核に投射するハイパー直接路は、運動制御において運動開始前の不必要な神経活動を抑える役割があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大脳基底核はパーキンソン病など不随運動疾患の原因部位であり、また運動制御、運動強化学習に関わる部位であることから世界中で研究が盛んなターゲットである。本研究では大脳基底核内の1つの経路であるハイパー直接路の役割を明らかにした。この研究をさらに進め、大脳基底核の神経ネットワークが運動の制御に果たすメカニズムが明らかになれば、パーキンソン病などの運動障害を引き起こす神経疾患の治療の開発に寄与すると考えられる。
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