研究課題/領域番号 |
21K06434
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神谷 温之 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10194979)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 軸索 / 海馬 / サブセルラー記録 / 数理モデル解析 / 同期リズム形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、直径4~7ミクロンと例外的に大型の海馬苔状線維の軸索終末からサブセルラーパッチクランプによる直接記録を行い、また、苔状線維を模した最新の数理モデルに基づくシミュレーションを組み合わせ、遠位軸索における異所性スパイク発生の検証、ケージ解除による異所性スパイクの発生部位の同定、シミュレーションによる異所性スパイクの数理モデル解析などの観点から、遠位軸索における異所性スパイクの発生機構について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究では、例外的に大型の海馬苔状線維の軸索終末からサブセルラーパッチクランプによる直接記録を行い、また、苔状線維を模した最新の数理モデルに基づくシミュレーションを組み合わせ、遠位軸索における異所性スパイク発生の検証、異所性スパイクの発生部位の同定、シミュレーションによる異所性スパイクの数理モデル解析などを行う。通常の活動電位発生部位である軸索初節部ではなく、遠位軸索で活動電位が生じる、いわゆる「異所性スパイク」 について直接的に検証し、遠位軸索における異所性スパイクの発生機構について追及する。昨年度までに、カリウムチャンネルブロッカーである4-アミノピリジンの遠位軸索への局所投与による異所性スパイクのバースト発火を生じること、およびシミュレーションによる数理モデル解析で再現できることを明らかにした。本年度は、生理的条件下で異所性スパイクの発生を引き起こす可能性について検討をすすめ、入力線維に強い繰り返し刺激を与えると、刺激後にも継続して活動電位の発火が継続する後発射を生じ、これが遠位軸索由来の異所性スパイクによる可能性をマウス海馬での電気生理実験で示した。また、シミュレーションを用いた検討で、入力線維の繰り返し刺激に遠位軸索の軽度の脱分極を組み合わせることで、異所性スパイク発生による後発射の発生を再現することができた。苔状軸索のカリウムチャンネルは顕著な不活性化を示すが、不活性化を除去したモデルを構築し軸索カリウムチャンネルをこれに置換したところ、異所性スパイクによる後発射が完全に消失することを示した。カリウムチャンネルの不活性化の累積が異所性スパイクの発生に促進的に作用する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウス海馬スライス標本を用いた実験的研究で、カリウムチャンネルブロッカーである4-APの投与や生理的な繰り返し刺激により遠位軸索由来の異所性スパイクを生じ、海馬苔状線維を模した数理モデルに基づくシミュレーションでもこれが再現できることを示した。実験と理論の両面からの研究が相互補完的に進捗していることから、おおむね順調に研究が進捗していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
これらの結果に関する論文投稿を進めるとともに、マウス海馬スライスを用いた単一苔状線維終末からの直接記録による実験的解析をさらに進め、反復刺激による異所性スパイク発生のメカニズムを追求し、シミュレーションによる検討も行う予定である。
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